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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 489

神凪晶こと『晶ちゃん』はただブゼンと、さも面倒臭そうに答えた。
「…さっき見せたまま、だ…」
誓いを立てた行為を行うに限定して高い強化能力を得られる…さっき見せたまま、だという事か。
レイナは辟易としながらも彼の能力と大まかな人格を理解出来たが、聞いた以上はと切り返す。
「あ…あたしの能力は…。」
いつの間にかレイナの太股に食い込んでいた0.22インチ口径…BB弾程の銃弾が再生能力で回復した傷口から押し出されて床を跳ね、晶の足元まで転がってゆく。
「…いい…理解した…」
説明を拒む晶。
「そう…え〜と…」
「では、会場に行くか。次の対戦が始まるからな…」
レイナが言葉に詰ってると玄人が提案をした。
「OK、デルリン♪」
「デルリンか…まぁいい。では歩きながらこれからについて話すとするか」
「了解した…」
三人は観覧席へと向う階段を登る。
「まず、我々の能力は直接戦闘には向かない。よって肉弾戦闘能力を強化する必要がある。晶ちゃんの能力も身体能力の強化は重要である」
晶ちゃんが定着したようだ。
「そうねぇ〜、でも私達だけで修行するってのは…」
「我輩の師に引き合わせよう」
「師って…デルリンの師匠!?」
「うむ、倶利伽羅みことといってな…我輩の体術と能力強化の先生である」
「へぇ〜、みことさんね〜」
「今日も会場で観戦してるはずだ」
「…次の試合は?」
「え〜と、私達の対戦の前にやるはずだったカードね」
「…前?」
「うん、何でも一人はうっかりグレネード弾を蹴飛ばして爆発、もう一人は日射病で医務室に運ばれてたんだけどさっき二人共治ったんだって」
グレネードの暴発はまだ理解出来るが。
「五月に日射病って…どんだけモヤシ君なのよォ?」
と嘲笑を露にした。
レイナの様に勝ち気な性格の少女にとって弱さは罪である。
そう…確かに天気は良いが、炎天下と呼ぶには程遠い状況で日射病とは。
「きっと青白いニートなオタク野郎で…キャー!キモイっ!?」
苦虫顔でイヤーな人物像を脳内に再現するレイナの傍ら、晶がポツリと漏らす。
「…闇属性の能力者…それも高位の…」
「ビンゴだ晶ちゃん君。」
玄人が筋骨顔に唇を歪める、称賛の意を示す笑顔なのだろう。

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