香港国際学園〜第二部〜 488
いち早く放心状態から復帰したのは一度対戦したことのあるレイナだった。
「NO!大阿門・D・玄人である。ここが重要!」
「うるせぇ!てめぇ、下手に関わると怪我するぜ!」
「ふっ、今時チンピラでも言わない事を恥かしげもなく…
大の男が何人も、しかも少女一人に対して襲うとは恥を知れ!」
「…カッコつけてんじゃねぇ!おい、こいつもボコしちまえ!」
玄人へ向ってサブマシンガンが火を噴いた。
「効かん!」
キンッキンッキン!
「馬鹿な?能力は封じてるはずだぞ?」
「能力に非ず!丹田式呼吸法、金剛身!」
そう言い放ち玄人は近くにいた男の顔面へ拳を打ち込む。
メキョ!
頬骨の砕ける嫌な音が鳴る。
いまだ何が起きたか理解できていない男達を次々に薙倒していく。
「ふっ…能力に甘んじてる者に負けるはずがなかろう!」
すでに戦闘可能な人数は半分に減っていた。
「そして貴様!」
玄人は金髪リーダーを指名した。
「その能力…正直目障りである!」
玄人さ一瞬で金髪の前に移動し、肩から肋骨へかけて沿うように手を滑らせる。
ゴキュッ!
金髪は鎖骨を破壊された激痛により気を失った。
「…少年、これで君も能力が使えるだろう?」
晶は二、三度瞬きをした後、呟いた。
「…1、味方と協力し敵を殲滅する」
…
……
………
本気の晶と玄人の前にKクラスの精鋭達は五分も保たなかった。
「ふぅ…これで終わりか…」
玄人は大きく息を吐いた。
「ありかと、助かったは」
「助けたのは…邪魔だったから…」
晶は言った。
「礼には及ばん!…君に用があってな…」
「私に?」
「YES!そして君にも用ができたようだ」
玄人は晶に目を向けた。
「我々でチームを組まないか?」
「チーム?」
「そう、チームだ!クラス浪人達で互いに協力する集りだ」
「…意味は?」
今度は晶が問う。
「意味は…まずチーム内の誰かにあるクラスから声がかかったとしよう。その時、そのクラスへチームメイトを斡旋するのだ。クラス同士の試合の前座として戦ってアピールするより効率がよかろう」
「なるほどね…」
「そして我輩も君達もサポート系の能力であり、試合も複数で行う方が良いだろう?」
「まぁ…ね」
「…確かに互いの利益に直結はするね」
「だろう?どうであるか?」
「面白そうね、それに借りを作りっぱなしは性に合わないし…」
「僕も…一人だと何かと不便だ…」
「よし!決定だな。
では自己紹介をしようか。我輩の名は大阿門・D・玄人。能力は流動と引力操作である。ちなみにDはデルカイザーのD。好きなように呼んでくれ!」
「私はレイナ・恵・フォルテス、ハーフなの。能力は超再生。よろしくね、デルリン♪晶ちゃん♪」
「デルリン…」
「…晶ちゃんか…悪くない…僕は神凪晶…能力は十戒…」
「十戒って?」