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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 479

「俺も……もう駄目…じゃない?」
某も能力を解除し、倒れ込む。


その時、理人は会場へと戻って来た。
会場には実況の音無太郎の声が響いている。
『ひかる選手…ダウンだ!
しかし、いきなり結界が解除されたのには驚きました!前例がありません!
なお試合は一時中断し、選手の方々は運営本部からの指令をお待ち下さい…』
理人は音無太郎の声を聞きながら、渋い顔をしていた。音無太郎はまだ、喋り続ける。
『ただ今、警備局から通達がありました。結界の解除の件ですが、地下管理室において何者かが侵入したとのことです!』
ピクッ
音無太郎の言葉に理人は反応する。
『また、侵入者は管理室において結界を解除した後、機材を破壊し逃亡したとのことです。情報提供をお願いします!』
(!…機材を破壊しただと…俺はしてないぞ?)
疑問符を頭に浮べつつ、理人は教員用観客席へと向う。
「あら?橘先生、なんと長いトイレですこと…」
理人は今泉のそんな言葉に迎えられた。
「…腹痛でな。昨日の牡蠣にあたった様だ」
「それより理人、お前の所の生徒が大変みたいだぞ?」
「分かってる、刹那…控室に行ってくる…」
理人は回れ右し、選手控室へと向う。
「おい」
背中から刹那のしゃがれた声が聞こえる。
「なんだ?」
理人は振り向かず答える。
「…俺達はお前を信じてるからな」
「…すまない」
理人は駆け足で控室へと向った。


1-A控室では…
「…みんな、迷惑かけてごめん!」
ひかるがクラスメイトに向って頭を下げた。
珠久の強烈な攻撃を食らって無事な訳無く…気絶して控え室に運ばれ、意識は戻ったものの身体を動かせる状態には無い。
掠れた声で謝る様子すら痛々しかった。
そんなひかるを責める者は誰もいなかった。
気絶していた所は大騒ぎだった奴隷ズも、ひかるが気付いて泣いているぐらいなもんで(実はひかるに生気を吸われた事すら『ひかると近い存在になれた』と股を濡らしているぐらい)他の者も非難よりも安堵の表情だった。

「大丈夫だよ、ひかるちゃん。幸い、誰も酷い怪我を負わなかったんだし…」
「えったちゃん…」
ひかるは顔を上げ、クラスメイトを順々に見ていく。
「ありがとう…みんな…」
ひかるの目から涙が零れた。
「僕…一人で先走ってた…本当にごめんなさい。でも、もう…」
バンッ!
「おい!桜川が倒れたんだって?」
扉が勢いよく開き、理人が入ってくる。
「あっ…大丈夫です、先生…」
「そうか…」
理人は安堵し、顔の緊張を解く。
「それより先生…今、ひかるちゃんが良い事言う雰囲気だったんですけど…」
えったが理人を糾弾する。

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