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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 470

…騎兵隊…
「…だってさ?芽衣子くん。」
『…だってさ?じゃありません委員長!』
トボケた態度の西珠久のインカムに芽衣子の叫び、ノイズ混じりの甲高い声で耳の奥がこそばゆい。
策略抜きに結構急いでいる(つもりだ)が、如何せん花丸がバイクで敵陣深く切り込んでくれたお陰で『実際の面積より広く感じる試合用の結界内』では中々追い付かない。
花丸はチェーンソードを鎖鞭状に変化させ、出鱈目に振り回しながら距離を取っていたが…今度はライフル弾や投げ鉄砲の雨あられ、更に後方から烏丸と音無の狙撃まで加わっていた。
「委員長が用意できるまで3分…花丸くんそれまでは突破されません…充分間に合います…」
優魅の冷静な分析…『突破されるまで』が大丈夫なだけで、花丸が無事とは一言も言っていない。
要は見殺しである。
戦術家としては素晴らしい優魅であるが、自分に好意を寄せる少年を駒としてしか見ていない…珠久や優魅に比べれば真っ白に等しい潔癖さの芽衣子にとっては、そんな優魅の言葉が癇に触る。
本来、花丸を駒にしているのは珠久であるが…こう言う部分でも優魅は見事に避雷針代わりになっているのである。

「花丸くん聞こえますか…後4分は確実に時間を稼いで下さい」
芽衣子の苛立ちを気付きながらも、優魅はまたしても罪作りな通信…満身創痍になりかけの花丸に苛酷な任務を指示する。
勿論、今花丸を後退させたり、助けを入れたりすれば作戦に支障をきたすので無理もないが…
「ああ、やってやるさっ!…正義の為にやってやるぜ、弥勒さんっ!!…」
俄然ヤル気になった花丸…これで何とか持つであろう。
「委員長…後3分20秒以内にお願いします…」

これで良いのよね。
悠魅は自分に言い聞かせた。

「悠魅さんのためにぃ!」
花丸はチェーンソードをひかるに叩き付ける。
ひかるは一歩下がり躱し、薙払う様に切り付けた。
「ぐぅ…」
またも武器を破壊され、花丸はうめく。
「これでっ…とどめだ!」
影囲の攻撃に気を取られた隙にひかるに痛恨の一撃をくらう。
「ぐわぁ…悠魅…さ…ん」
花丸は前のめりに倒れ、逝った。


『花丸君、撃破されました!』
「時間は?」
『三分十五秒稼いでくれましたよ』
「そうか…十分だ!」
珠久は悠魅にそう言い、作戦を第二段階に移行した。
「某は僕と共に防衛線を張れ。後は軍師殿に任せるよ」
『はい。委員長!』

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