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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 469

白熱する音無太郎のアナウンスに、研究者然とした服部優菜の解説が続く。
『平原くんと辺里くんは戦闘スタイルこそまるで違いますが、激情型で獣の本能のぶつかり合い…それ故どちらも決定打を与えるに至りませんでした。』
彼女が細身の銀鎖で首から下げた伊達メガネをかけると、そのレンズにSFテイストな数値の羅列が浮かぶ。
『しかし桜川くんの、そう…優しく抱きとめる様に穏やかな動き…平原くんの本能では対処しきれないのです。』

『お〜っと!解説の服部さんからの御墨付きだ!ひかる選手、ここは攻め時だ〜』
音無太郎のマシンガントークはまだまだ続く。
『おや?花丸選手、前線を死守せんと必死で反撃するも、ひかる選手の猛攻に押され始めたようだ!』


実況席からの騒々しさがあまり響かない会場の片隅で二人の男が密談をしていた。
「…我輩、命じられた通り、橘教諭に伝えましたが…」
「うん、ご苦労様。僕からだと何かと追及してくるだろうし…助かったよ」
「いえいえ、我輩の能力を昇華させてくれたのは倶利伽羅様ではないですか。なんなりと…」
「でも、君はこの後に試合があるだろ?」
「はい。いい加減、この辺りでクラスに入んないと、また進級ができなくなってしまいますよ。フハハハハッ」
「笑い事じゃないと思うけどね。まぁ、頑張ってよ」
「Yes!でも、その前にこの試合を楽しみましょう!」


その頃、花丸と交戦中のひかるは…
「いぃ〜やっ!」
気合いと共に一撃を放つひかる。
花丸の左手に急ごしらえで具現化したシールドが貫かれ消滅、勢いを失わぬ切っ先がのけぞる鼻先をかすめた。
「うあぁっ?!」
先程まで辺里えったの攻撃を本能だけで回避していた花丸が、攻撃を視認した上で意識せねば捌けぬ攻撃であった。
技量の差ではなかった、敵意や闘争心の薄い攻撃に反応しきれないのだ。
そしてやや離れた間合い、影井の印字打ちから放たれる近距離用の鉄球は蚊ほどの打撃ながら集中力を乱す。
そして漸く再構成を終えた右手の鋸剣を力任せにに横薙ぎするが、ひかるの刃を滑る様に撥ね上げられた。

花丸のペースは完全に乱れガラ空きのボディにえったの突き、かわし損ねた十字の枝が脇腹をえぐり、防弾防刃仕様のプロテクターが軽金属と緩衝材の破片を散らす。
「三対一なんて卑怯だろ…うがっ!?」
顔面直撃、鼻っ面にえったの頭突きを喰らって突き飛ばされ、視界に火花が散った。
「勢いに任せた一騎駆けの報いです。」
『お前がっ!お前が言うのか辺里えったァアアア?どの舌で吐けるんだそんな台詞!?ちょっぴりドSな薄ら笑いは気のせいかァアアア!?
てゆうか花丸既にいぢめられっ子状態!騎兵隊はまだ来ないのかァアアア!?』

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