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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 464

(…何だったんだ?)
しかし理人の問いに答えれる者はいない。
考えてもしかたが無いので試合に目を向ける事にした。


一方、1-Aの最前線で闘ってある影井はと言うと…
「はぁっ!」
能力を活かし、奮闘している。
さすがの珠久も予想以上の抵抗に攻めあぐねる。
「くそっ…珠久、これは予定にないぞ!」
某は影囲のトリッキーな攻撃により上手く技が決まらず、その不満を珠久にぶつける。
影踏み…以前は直接影を踏まねば相手の動きを封じる事は出来なかったが…
「伊隠流忍術…影踏み弐式…。」
…数メートル内、足止め程度の短時間ならば手裏剣や分銅を打ち込み影を縫える…というバージョンアップを果たしていたのだ。
珠久のオールアナッシング…予備動作無しに攻撃出来る能力も某のワイヤーを操る能力も、間合いの外から行動を起こす前に封じられては手が出ない。
「うろたえるな某!奴に決め手と呼べる程の攻撃力は無い!!」
拘束時間の切れた手裏剣が珠久の身じろぎひとつで影から弾かれた。
「ぎく…でござる。」

「今…『ぎく』って言ったじゃない?」
某も幾らか落ち着きを取り戻し『じゃない?』口調に戻っていた。
大見得切って助太刀に出てきた(というか近くに居たが気付いて貰えなかった)影井くん…滝汗、そして沈黙。
「ふ…動揺して、戦場で足を止めるとは素人かっ!?」
影の向きを計算に入れた踏み込み…太陽の逆側から珠久が倍速コマ送りの様に迫る。
「ひぃいっ!?」
逃げ腰気味、背中から抜き打ちに振り下ろした忍者刀が刀身半ば辺りから斬り飛ばされた。
珠久の両袖から現れたカタール剣(突き短剣)、鋏の様な一撃だった…
基本的にチキンハートな性格が幸いした…
無理に攻めていれば首まで落とされていたであろう。
影井は刀のコジリで手甲を擦り、二発目の火炎放射で間合いを稼ぐ…ギリシア火炎薬を参考にした小細工だ。
珠久の読み通り影井自身の戦闘能力は低い、攻撃型の能力者と組んで初めて実力を発揮する彼は次第に苦戦し始めた。
一対二…平原花丸はどういう訳か攻めて来ないが、影井一人での戦線維持も限界であった…。
「誰か助けてェ…でござるぅ!?」

何やってんだよ主人公ぉ!?
「あぅ…あぁ?!」
後方A組陣地から駆け付けた烏丸が体内で精製した、TVゲームに登場する『やくそう』並に便利な傷薬ガスで盲目やダメージは回復したが、未だ立ち直れぬひかるがいた。
「Fuckin!パニック状態だっ!!」
毒づく烏丸…性別変化による情緒不安定が思わぬタイミングで再発していた。
「仕方ありません…烏丸くんっ!気付け薬の類は!?」
えったの叫びに、烏丸は試合前日から用意していた丸薬の中からそれらしきモノを選び出す…えったは引ったくるなり自らの口に含む。

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