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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 461

ファンサービスのつもりなのか、今時の萌えドル的なポーズをキメるひかるえったに萌え上がる大観衆。
「ひっ...ひかるえった!萌え萌えぇビイィィィィムっ!!」
「声が小さぁい!腹の底からぁ!もう一度ぉ!!」
緊迫感ゼロな宣伝パフォーマンスに紛れ、念話で密談するひかるえった...。
『私にも見える...ハッキリしないけど...ヒト以外の何かが近付いて来る』
...と、ひかる。
未来達との性交渉で確実に精神系の能力も向上しているのか。
『ええ匂いますね...お師匠さん達と似たような匂いです...』

えったもまた同様か。
加えて、大地らの危惧していたクラス内での不和もない。
「「ご主人様お嬢様のお帰り…お待ちしてまぁす!!」」
…いい加減審判の目付きが厳しくなって来た為、元の位置に戻るひかるえった。
『悪意は感じられない、でも凄く危険な意思。』
『しいて例えるなら、鴉(カラス)や梟(フクロウ)の狡猾さですね。』
漠然とした危険への予知、感知。
しかしそれが何物なのか、よもやその危険な意思の正体が目の前の対戦相手の中に含まれているなぞ…。

「テメェら!黙って見てりゃあ、萌えだの何だの!この神聖なスタジアムを何だと思ってやがるっ!?」
ブチ切れるのは正義一直線悪即斬なスーパーヒーロー、平原花丸であった。
少くとも危険な意思とは違うと見た…疑う事を知らぬ真摯な瞳、彼もまた弱きを助け強きをくじく、己が理想の為に戦う男。
しかし彼は知らぬであろう、ひかるえった...いや光樹と影汰に託されたモノの大きさとその裏での骨肉の争い。
ひかる姫の肩が震え溜め込んでいた言葉がついて出る。
「確かにバイト先の宣伝なんて道化に映るかも知れないよ、でもそれはそれ!」
…ざわざわざわ…
柄にもなく食ってかかるひかる姫に会場は騒然となった。
学園を脅かす事態の真意も知らず、子供じみた正義を振りかざす平原に据えかねたか。
「私はこのスタジアムで…理想を貫く為の意志を示す!この学園の、全ての争いを断ち切る為に私は戦う!!」
口調こそ女の子、立ち振る舞いも一見優柔不断ながら瞳の奥底に輝く意志の光。
威風堂々としたその姿、正に戦乙女。

瞬間一気に沸点を迎える観客席
「ぐっ……」
会場のテンション、そして光樹の言葉と真っ直ぐな眼差しに言葉が詰まる花丸
「ハイハイハイハイ、そこまで。ゴングはまだ鳴ってないんだからつっかからない」
そんな二人の間に珠久が割って入る。
「どもども、ウチの花丸がとんだ御迷惑をおかけしてしまって」
花丸の頭を押さえ一緒に礼をさせる。
「後でよーく言ってきかせますので…」
そう言いながら何度も何度も花丸に礼をさせる。
「は、はぁ…」
流石に花丸が可哀想になったのか返事を返す。

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