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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 459

「…もしもそうなったなら、俺は妻や子供、親友を守るために世界の敵になってやる。
危害を加える者や罵る者、全てを…殺す!」
そう言う理人の目は香港国際学園の教師としての目ではなく珠久の持つ写真と同じ狂戦士の目に変わっていた。
「それに、こんな手を使ってまで勝ちたいのか?クラスメイトにこれが知れたらいくらクラスの為とはいえ…」
「こんな手を使ってまで勝ちたいのかと言われるとちょっと違いますね」
「…何だと?」
珠久を威嚇するような目付きはそのままで理人の顔には疑問の色が浮かんでいた。
「第一結界を解いて不利益を被るのはあなたのクラスだけじゃない。
こちらのクラスも一歩間違えば貴重な仲間が死んでしまいますからね。
だから、僕の今している事はむしろ愚行ともつかないんですよ。」
「なら!何故こんな事をする!何の目的があってリスクの高すぎるこんな事をするんだ!」
珠久の意図が読めない苛立ちからか理人の声は自然と大きくなっていた。
「…それは先生でも言えませんよ。

それでは、きちんと動いてくれる事を祈っています。
あぁ、そうそう、タイミングの方は後で連絡を入れますので、では、失礼します。」
そう言って廊下を去って行く珠久。後には理人が立ち尽くすだけだった。
「美咲…皆…一体どうしたらいいんだ…」



珠久は…立ち去る背中ごしに呟いた...
「悪く思わないで下さい立花先生...いや『橘理人』さん...赦していただこうなどとは思っていません。」
歯噛みする珠久。
「僕なりに考えた最良の方法...犠牲を最低限に留める苦肉の策なんです...必要以上の被害を出さぬ努力も決して惜しみはしません。」
珠久のその声が...そしてその言葉の意味が果たして橘理人に届いたのか誰にもわからない...彼はその場に取り残され、ただ立ち尽くし激しい葛藤にさいなまれていた...。
うつ向き加減で視界に入ったオメガは試合開始時刻五分前を示していた...この密談だけでなく、葛藤の時間までもが計算の内だったかの様に...。
「ふざけるなよ?一つ二つの弱味を握ったぐらいで...人を掌で踊らせるみたいに...神の使いにでもなったつもりかっ!?」
この珠久の呼び出した場所も、教職員用観客席まで直通の階段...ゴルゴダの丘かヤコブの梯か...理人はどうにでもなれとばかり13階段を踏みしめる...。
行き着く先に待ち受けていたのはかつての級友達。
「だからよ喫煙席で煙草吸うなってなァどんな了見だ!あぁん!?」
銀城刹那。

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