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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 458

「あれ?そういえば先生は?」
ふと、いつもならアドバイスや指導をしている理人がいない。
「どうしたんだろ?」
光樹が首をかしげる。
「先生が心配されるような実力者じゃないことくらい分かってるでしょ。そんな事よりミーティングをちゃんと聞かなきゃ」
「あ、うん…」
微かな不安がよぎったが光樹はこれからの戦いの為にそれを振り払った。


その頃、理人は闘技場の階段にいた
「あ、来てくれましたか橘先生」
階段の手すりに背をもたれていた珠久がにこやかな笑顔で理人を出迎えた。
「………」
それに対し無言で答える理人
「なんのようだ…こんなもので俺を呼び出して…」
そう言い一枚の写真を投げた。昔の、まだ『人間』として存在していない『狂戦士』の頃の理人が写された写真だ。
「いやー、橘先生。貴方なかなか面白い経歴をお持ちですね。」
ヒラヒラと数枚の書類を振りにこやかに笑う。
「苦労したんですよ、この『貴方が参加した戦争』の資料を手に入れるのには」
「お前…何者だ」
秘密裏に処理されたはずの資料を持つ青年、珠久を睨み呟く。
「『委員長』ですよ、今から貴方の教え子と戦うクラスの、ね」
そう言うと資料を懐にしまうと背持たれていた手すりに手をのせた。
「さて、とりあえず用件だけをつたえましょうか。『結界』を切ってください。」
「なっ……あれを切ったらどうなるかわかっ…」
「ダメージが精神ダメージに変換されなくなり直接怪我をさせる事が、場合によっては殺す事も可能になる、でしょ?」
さも『問題ですか?』と言わんばかりに答える。
「まぁあくまで僕の合図で切ってくださいということなんですけどね」
笑顔のまま理人に向かう。
「断る!!今更そんな資料をばらまかれたところで…」
「そうですかぁ?」
理人の言葉を遮るように声を上げる。
「貴方のお子さんに『お父さんは人殺しなんだよぉ』って言ってもあの子達の笑顔は曇りませんかねぇ?」
「ぐっ……!!」
「それに貴方に恨みを持つ人、例えばこの資料の戦争で死んだ人の肉親縁者に貴方の事をつたえましょうか?狙われるのはお子さんでしょうね」
そう言い更に書類を取り出す。
「更に、貴方のお友達の戦争の資料もあるんですよ」
ヒラヒラと振る。
「偽善をかざすマスコミやなんかは食い付くでしょうね〜。貴方はそれらから守れますか?お友達を、お子さん達の将来を、奥さんの心を。世間の風は冷たいらしいですよ〜?」
「貴様…!!」
ギリッと奥歯を噛み締める。
「おっと、これを奪おうなんて考えない方がいいですよ。これはコピーなんですから。ちなみに僕になにかあった場合はこれらは自動的に世界中にばらまかれる事になってますんで」

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