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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 441

思索に耽りながら、未来は寮から出て歩く。
もうすっかり陽は沈み、空は朱から紫…そして蒼冥く変化していく。
西洋ではこの時間、魔が蠢く『逢魔が時』と呼ぶらしいが…この様を美しいと見るか、不気味にみるかは民族性なのかもしれない。
未来はこの時間は好きなのだが、ここは香港…
魔が蠢く時間であるのだ。

道端でヤンキー座りする、これぞ不良と言った感じの学生が三人程…香港では『質、量共にゴキブリ並』と揶揄される連中である。

低レベルの身体強化能力しかない連中が多いが、一般人や精神系能力者、徒党を組めばそれなりの能力者にとっても厄介な連中だ。
未来の行く手を遮るように一人が立上がり、後の二人が周囲を囲む…彼らにしてみれば、自分達も『能力者』だと言う驕り、その上そう簡単に死ぬ程ヤワな身体でもない…あまり考え無しに相手構わず噛み付いても、結果オーライなのである。
未来を囲んだ三人も、勿論何も考えずに欲望のみで囲んでいるのは未来でも解る…どこまでもゴキブリ並の連中なのだ。

「どいて下さらないかしら…」
こんな連中を目の前にしてご機嫌でいられる程未来も人間できてはいない。
不快な表情を隠そうとはせず言い放つ。
そんな未来に対して、三人は未来の不快指数を更に上げるような下品な笑い…
「キーヒッヒッ、お高く止まりおってよぉーっ…ヒン剥いてブチ込んでもお高く止まれるか試してみる……くわっぁっ?!…」
不良の言葉は最後まで続かない。
未来の手に握られた長ドスが不良の開いた口から頬までを貫通していたからである。

そのままグリッと刃を回して(相当惨いです)、未来は周囲を睨み付ける。
「一辺…死んでみても宜しくてよ…」

そんな未来の台詞で怯む不良ではないのが香港…と言うか何も考えていない。
刺された一人は絶叫して転がっているが、他の二人は身構えて怒鳴る。
「畜生っ!、このアマッ!…どこに獲物隠してやがった!!」
「ザケンじゃねーぞっ!…腕の一本二本、ブッタ斬って輪姦してやる!」
息巻く不良は、未来の長ドスが『隠して』たのではなく、『現れた』事に気付いていない。

「あが…ぶが…。」
凄みを効かすゴキブリ2号3号とは反対に…頬から切っ先を生やしたまま、失禁しながらのたうつゴキブリ1号。

「あら失礼…ごめんあそばせ?」
未来は長ドス…刃渡り一尺九寸の長脇差を地ベタでもがいている1号に突っ立てたままだった事に気付き、白木の柄を軽く引いた…。

…ごりゅぶちゃ!…

身の薄い生魚を適当に捌いた様な音と共に1号の頬が口元まで裂ける。

「ぼげらぁあっ!?ぶぺぇえ!?」
1号は耳障りな悲鳴と共に…血泡と唾液その他諸々の混合物を撒き散らしながら悶絶した…。

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