PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 435
 437
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜 437

「きゃ〜っ!やっぱりカッコいい〜!お札の反応も上々、これが運命の出会いってヤツなのかな〜。」
少女にとっては八重歯をきらきらさせながら喜ぶ程喜ばしい事なのだろうが青年にとっては厄介事の匂いがする、早めに去ってしまいたい事であった。
(嫌な予感がする…この女から離れるべきか…。)
「あのあのっ!お名前何て言うんですか?。」
「は?あぁ、ヴィンセント、ヴィンセント=ラクレインです。」
律儀に答えるあたりは礼儀なのか、単に早くここから離れたいだけなのか。…多分両方であろう。
「私の名前は楠 凛って言います!もし良かったら…あの…その…。」
「ご用はそれだけですか?、私は行く所があるので失礼します」
ヴィンセントは凛の言葉も最後まで聞かずに脳内の警告に従って、その場から離れようとする。
「ああっ!ダメですっ!行っちゃダメです〜!」
凛はとっさにヴィンセントの背中に札を張り付けた。
張り付けた途端にヴィンセントの周囲に幾つもの光る線が走る。線は結び付き合い、ひとつの六芒星になりヴィンセントにまとわりつく。「なっ何だ!、お前!一体何を…」
抵抗するヴィンセント。しかし六芒星の光度は更に増し、果てには視界が光で覆われる。
「わわっ、こんなに凄い封印だったなんて…ど、どうしよう…」
「ぐぅぅっ、があぁぁああっ!」
慌てる凛を横目に光は閃光になり、光の中からヴィンセントの叫び声が響く。そして閃光が一気に消え、後から来た衝撃が凛を吹き飛ばした。
「あいたた…、ヴィンセントさ〜ん、大丈夫ですか〜?」
チカチカする目でヴィンセントを探す凛。
「クッ、ハァ…ハァ…」
振り向いた先、光の残る場所の真ん中にヴィンセントは立っていた。

「大丈夫ですか?、あの…私、あなたに凄い封印をしちゃった風味なんですけど…?」
「封印だと?。お前、自分が何をしたのかわかっているのか?。」
そう聞いても凛は首を横に振るばかりで何も知らなかった様だ。
大きな溜め息をついてヴィンセントは凛に説明を始める。
「いいか?お前がかけた封印はな、使用者が対象に条件を課して束縛する最高に厄介な封印なんだぞ…」
「え?え〜と…?」
目まで疑問符になる凛にそのまま音を立てて落ちそうな溜め息を吐く。
「分かりやすく説明するとだな、お前は俺に対して望む事を俺にさせることが出来るんだ。例えばお金が欲しいなら俺はその金をお前に渡すまで逃げられないってことだ。」
「…で、お前は俺に何を要求するんだ?。」
思案する様に頭を捻る凛、そして凛の頭に電球が付いた。
「じゃあね…私の彼氏君になってよ。」
「はあっ?そんな事が望みなのか!?もっと他にもあるだろう?」
「だって…それしか思い浮かばなかったんだもん!」
そんな凛の様子にヴィンセントは深く息を吸い込み、そして吸った息を全部溜め息に変えた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す