香港国際学園〜第二部〜 44
「さっ、時間もあまりありません。貴方は貴方の出来る事をしなさいな」
優しい笑顔を影汰を向け、優しく諭す。
「う、うん。やって……みます」
影汰はゆっくり頷いた。
「こちらA−3。配置完了」
「こちらB−3。準備出来たぜ!」
携帯で準備完了を確かめ合う生徒たち。期限の五時まで、あと二十分となっていた・・・・。
僅かに時は逆上る…屋上狙撃地点には学園内の鳥達に囲まれた、えらくメルヘンな菜乃花皐月。ふんふん、とうなづきながら…『能力』アニマルハート…狙撃の為の細かい気象情報を集めノートパソコンに入力している。
『・・・』
無音能力の使い手、音無次郎。物静かな少年が『サイレンサー』役。
2挺の64式小銃…照準眼鏡を装着した狙撃仕様、もう一挺にはトリモチ弾用の擲弾発射器が装着されている。
「すみません、遅くなりました。」
その射手…辺里影汰。
『・・・』
音無が詰め寄る。影汰は歯を食いしばった。