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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 426

刀機の意図を理解した演技とも取れた…彼女の性格故、幾らか本気と思える匂いも漂ってはくるが…。

「回復しなくて良いの?」
ひかるは怒りを押し殺し…会話を続けながら状況把握を行う…体操服姿、今のえったに仕込み銃の類は無いと見たが、用心に越した事はない。

「女性化に慣れていない貴女と…概ね対等でしょう。」
機種までは知らないが、弾数より威力を重視したライフルを選んだようだ。
腰の予備銃はリボルバー….357マグナムの七連仕様と聞いている。
しかし…問題は銃の性能や仕込み銃の有無より能力の変化。
刀機の話を聞く限りでは、ガンスリンガー能力の使えなくなったえったがあの3人をぼろぼろにするからには、既にガンスリンガー能力を変化、もしくは昇華させて自分のものにしたのだろう。
それがひかるを自然と慎重にさせる。
少なくとも荒九龍との修業で…辛うじて『基本の構え』程度の喧嘩殺法じみた我流の技ながら…能力無しでも平均以上の射撃、格闘能力。

ひかる(光樹)とて…師、みことの修業で鍛えられてこそいるが…1-B戦直前の喧嘩を別とすれば、えった(影汰)との対戦は稽古程度。
マトモにぶつかり合うのは初めてだ。

そして新しい技の手掛り…放置された理都の剣。
…その破断面は力付くでヘシ折ったそれとも、銃弾や刃物によるそれとも違う…えぐられた様な…。

「心配しなくとも…大技を使う余裕はありませんから。」

にべもないく言い切るえった。

「それこそ随分余裕だと思うよ…えった?」
必殺技とまで行かなくとも通常技と呼べる能力を使う余裕はあると言う事だ。
そして手負いで、大技がなくともひかるに勝てるという自負か…。

「正直…ひかるが能力の変化に追い付けばどうでしょう…。」
えったはひかるの一歩先を行っているが…まだ癒え切らぬ痣や傷、足元に散らばる薬夾の数を見る限り、三人交替で弾の補充以外休みなくしごかれたのだろう…消耗も激しい。
確かに先程彼女の言った通りそこそこ対等…勝利の鍵は、ひかるの覚醒。

「お喋りは済んだか?」
ひかるの『偵察』も十分であろうと判断した刀機が声を掛けた。

「ええ…何時でも?」
えったはライフルのボルトを操作…初弾を叩き込む。

「待って。」
ひかるの制止に…その場にいた全員、何を今更と疑問の表情を浮かべた。

「私が…勝ったら…。」
「どうします?」
ひかるは右手の薙刀を下ろし…代わりに左の拳を突き出し中指を立てた。

「足腰立たなくなるまでケツにブチ込んでやる!!」
「・・・!!」

互いに吐き尽した…最早何も語るまいと刀機が手をかざす。
「始めぃ!!」

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