香港国際学園〜第二部〜 419
百太郎(=百恵)の移籍や性別がバレた所で1-Aに大した被害はないのだ。
「乱波者が…パパラッチ部にでも持ちこめば…小遣いになるだろうに?」
膝上20cmの浴衣に帯刀(今は着席の為、大小束ね右手に抱える)…セクシーなイデタチの百太郎。
因みに胸はポロリ寸前…しかもこの格好で座るとぱんつ丸見えである…。
「言ったろ?俺はな…カネになるネタなら売る程押さえてんだ…今更神樹天地もねぇし(ちら見)。」
機嫌の悪い時の癖だろうか、ちょんまげに指を絡めながら保を見下す百太郎。
「フン…小悪党め…。」
「小悪党なりに色々あるのさ…んじゃ。」
瓢々とした態度を崩さぬ保…
薄ら笑いで人垣の間を縫ってゆく保だったが…ピタリと歩を止め振り返る。
「そうだ…お前らも気を付けろよ?」
保の幾らか真面目な表情に、1-Aの視線が集中する。
「思い過ごしならいいんだが…最近妙な連中がウロチョロしてやがる…小遣い稼ぎの類じゃねぇ…本物の忍者かスパイ。」
…し〜ん…
…沈黙の後、全員コメカミ血管全開…。
「フクロ決定さ…今度は化ける暇やらねぇさ。」
山本ひじりの右手が肘まで裂ける…能力『悪喰』。
流石に今度はほぼ全員が一撃必殺で身構える…。
「保険には入ってんだろ(にへぇ〜)。」
雪菜に至っては喜色満面の笑顔で二挺ベレッタの撃鉄を起こしていた。
「ま…待って!?待ってよ!?マジ話!!マジ話だからぁ〜!?命ばかりはぁ〜!!」
あわわ…と膝まづき、天に祈りを捧げる様に(本気で)命乞いする保に…間を置いて大爆笑が起こった。
「お前ら…あまりふざけるでない…こ奴、小便まで漏らしておるではないか…。」
かく言う刀機もまた、含み笑いを堪えていた。
「うぇえええん!?」
泣き叫び失禁する保。
…黒いスラックスに染みが沸き、橙色の液体が床を流れる…。
「『命ばかりはぁ〜』だって!?や〜い小便小僧ぉ!!」
保の醜態を真似る羽音…何故か豆の袋を抱えている…。
「…やれやれだぜ…。」
JOJ〇(三代目)風に肩をすくめ、巨大化させた拳とアフロを縮めるビッグジョーこと牟田丈次…。
「ん?おい…お前ら何やってんだ?」
おりょ…という表情の理都。
えったがマグナムの照準…百太郎が居合い斬りの姿勢、華奈美は例によって金属バットを振りかざしたまま…。
えったと百太郎が顔を見合わせた…。
暫し考えた後、百太郎は誤魔化す咳払い…えったもマグナムをしまい、慌てて華奈美のリードを掴む…。
「…っておいコラ?そこの『狂犬』三匹本気じゃねぇか!?」
保が居直って三人組を怒鳴りつける…途端に雪菜の顔が蒼白となった…。
彼の発言には、怖いモン無し雪菜でも最近控えている表現があった…そう『犬』と…えったの瞳がスッ…と細くなり口元が歪む…。
リードを手放し華奈美の尻を叩き…続いて百太郎にコクリとうなづいた。
「うがぁあああっ!!」
「ちぇすとぉおっ!!」
…猛犬注意×2…。
…医務室…