PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 400
 402
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜 402

「ちょっと待ちなさいアナタ達!」
『いいよ』と言えば『待てよ』と言わなきゃ気が済まないらしい子がいたらしい。

セミロングの髪の両脇からリボンを垂らし、逆さタマゴ型のアニメ顔に不敵な笑みを浮かべた女生徒...ご丁寧に彼女もまた、床を這いずる花丸を踏みつける。

「....ただの能力者に興味ありません...。」
奇妙な発言をする女生徒に...はぁ?...と固まる一同。
ここに居る以上、1-Eの生徒なのは明らかだが...何故か制服の左袖に『風紀委員A』と記された腕章...。

「あ...いけない。」
安全ピンを外し腕章を裏返す。
「風紀委員のA子ちゃん…お仕事の帰りじゃない?」
某(ナニガシ)が彼女の様子を覗き込む。

…隊長…
裏返された腕章にはそうあった。
「S(世界を守る)
M(南田美波)
…つまりSM隊隊長である私の出番でしょう!?」

1-E、南田美波…この子は人に聞かれた事に答える、自分の考えを人に分かる様に説明する…その辺が絶望的に欠けている様だ。

彼女の発言内容は常人に理解出来るレベルではなかったが…よーするに控え選手である…。
1-Aと同じく全勝中の1-Eだが、不思議と控え選手の出番は少ない。

このクラスも半数の生徒が戦闘向きでない能力者なのだが、委員長である珠久がエースとして君臨、キャプテンを勤める副委員長の芽衣子が司令塔となり、二人が効率良く生徒達を動かしてここまで勝ち進んでる訳だ。
そしてもう一人…
「あれっ?、優魅しゃんがいないのだ〜」
ヒナがそう言うと、芽衣子は多少不機嫌な表情になる。
「うん、弥勒さんならまだ育児舎にいてると思うよ」
珠久が笑顔でそう言うのも芽衣子は気に触るらしい…

弥勒優魅(みろく  ゆうみ)…
E組の参謀的なマネージャーにして神算鬼謀の策士…
その深い洞察力と鋭い知謀はクラスの全てが認めているし、委員長の珠久の信頼も絶大である。
そんな彼女だが、芽衣子にとっては珠久が信頼するのが我慢ならない相手であった。
その理由を語る為には、場所を育児舎に移さねばならない……


香港国際学園、育児舎…
ここは香港における孤児院と保育所を兼ねた施設である。

香港チルドレン…
香港で生まれ育った子供達。
親が死亡、または捨てられたり、経済的事情から子供を預け会いに来る親もいる。
この子達の親の大半は…生徒達である。

その育児舎の一室、3歳ぐらいの子供をあやしながら、まだ生まれて半年ぐらいの赤ん坊をふくよかな胸で授乳させている女生徒…美少女の部類に入るが、どことなく儚げで暗い印象があるこの女生徒が弥勒優魅である。
彼女はこの歳にして、2児の母なのである。


SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す