香港国際学園〜第二部〜 5
『あぁ、入学初日からこんな可愛い子と知り合えるなんて、ついてるなぁ』
などと、考える光樹だったが、刀機と知り合ったことが不運の始まりとは知るよしもなかった。
さて、無事1−Aの教室に着いた二人は挨拶もそこそこに、各々の席へと移動していった。
自分の席に座った光樹の隣には後ろ髪を束ねた黒髪の少年が座っていた。期せずして、不意に目のあった光樹は戸惑いながらも挨拶しようとすると、相手の方が握手を求めてきた。
「水嶋流だ。よろしく」
慌てて、光樹も握手をする。
「僕は桜川光樹。こちらこそ、よろしく」
その反対側にはかなり大柄な生徒が座っていた。
でっかいアフロに丸いグラサン、口元を覆う髭。上半身裸でズボンをサスペンダーで吊り、腕組する様子は……ミニ刀機と違う意味で高校生には見えなかった。
光樹も圧倒されたこの生徒、Cランク『部分巨大化』の能力者の牟田丈次であった。
その後ろに輝樹の昔からの友人の星野聖夜が座っていた。
「光樹………久しぶりだな」