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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 382

「・・・俺はそんなに遠くない未来・・・・・・死ぬ」
みことの言葉に真奈美が目を見開いた。
「死ぬ・・・・・?」
「あぁ、龍神が現世に長期間止まると病にかかる。空気が汚れ過ぎているからね。だから普段は聖域にいるんだけど・・・『神剣』の時から無茶をしていたからね、その後病にかかった」
「治療は・・・」
「無理だね、だから急いでるんだよ」
あっけらかんといった感じに言い放った。
やれやれ…と見た目、女子高生らしからぬ無精な仕草で肩をすくめる刀機真奈美。

「貴様の事だから…イジリ甲斐のある素材(光樹影汰=ひかるえった)に贔屓しているだけかと思っていたが…事態は深刻な様だな…。」
ぷるん…と規格外な巨乳に慣れたのか、イイ位置に腕組みバランスをとる。

「ごく一部の切れる連中も勘繰ってている…私闘スタジアムの実態…。
貴様らの様な『師匠』が大勢この学園で活動している事もな。」

貞盛 雷と五十土 真の会話を始めに『ご主人様、お嬢様』の噂話程度は真奈美の耳に入っていた。

例えば神樹天地のようなカリスマを含めた…その他にも、未完の大器と噂される生徒達の存在も確認していた。
彼らがその、支配契約書を手にする可能性もあるのだ。

「流石…我が娘、接客業が板に付いてきたな…父として愛娘の…。」
「はぐらかすな!もう一つの質問に答えろ!?」

「詳しくは言えない…ただ華奈美の存在、そして鍛えるのは来るべき時に備える為……俺が死ねば、『あの子』は覚醒してしまうから…」
多少苦い顔でそう言う倶利伽羅…『あの子』と言うニュアンスに、刀機はある事に思い当たる。
「貴様っ!…私と同様、アドルフもこうなって生きているのかっ!!」
刀機からは、あの時の闘い…そしてこうなった経緯の記憶は抜け落ちている。
しかし、自分なりにこの件は倶利伽羅が絡んでいる事だけは理解できていた。

なら、何故…
自分は真奈美の身体に居るのか…そして彼は…
「理由を話せ…」
短い言葉に怒りを込め刀機が問う。
「だって!…真奈美は俺の…俺の初めて持った子供だし!……あの子は…あの子は、俺は殺せないんだよ!!………生きているんだったら、どんな形でもいいと思ったんだ!」
理由はかなり私情…神様にあるまじきぐらい。
彼も龍神と言う前に父親なのだろう…
その哀しみの帯びた瞳は、自分のした行為の過ちには気付いている事を物語っていた。

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