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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 381

「まさか・・・」
光樹の呟きに影太が駆け寄ってきた。
「『倶利伽羅様』ですよ」
「ついに・・・」
ゴクリと唾を飲み込み列にくわわる二人。
その数秒後、ゆっくりとドアが開かれた。
「「おかえりなさいませ御主人様!!」」
着流し姿の青年、倶利伽羅様が花道の真ん中を歩きながらやってきた。
「あれが噂の・・・」
ザワザワと店内がざわめく中、倶利伽羅様が席に着いた。
「今日はなんかいつもとは違う子がいるんだって?」
「はい。双子メイドのマナカナちゃんです」
そう言うと先輩メイドが二人に手招きをする。
「「お・・・お呼びですか?御主人様〜?」」
「君達が新人メイ・・・」
二人を見た倶利伽羅様が口に含んだお冷やを豪快に噴き出した。
「いかがなさいました!?倶利伽羅様」
ゴホゴホ咳き込む倶利伽羅様
「ちょっ・・・ま・・・」
そんな倶利伽羅様に真奈美が近付き肩を貸した
「すみません。倶利伽羅様は御気分が優れないようなので私が個室に連れて行きます」
そう言い残すと有無を言わさず倶利伽羅様を担ぎ個室に入って行った。
「光樹君!」
「わかってる」
そうアイコンタクトをすると扉に張り付いた。



「さて、説明してもらおうか?イロイロと」
真奈美の言葉に倶利伽羅様が視線を反らす。
「な・・・なんのことでしょうかー俺は只の常連のお客様ですけどー・・・」
明らかに嘘である。
「なるほど、なら紫穂さんにあの事を伝えても痛くも痒くもないな」
サッと携帯電話を取り出す。
「うぐっ・・・」
あの事がなんのことかサッパリではあるが、紫穂という名前を出され明らかに表情を変える倶利伽羅様。
「それが嫌なら吐いて貰おうか?イロイロとな」
真奈美の言葉に倶利伽羅様が崩れ落ちた。
「なんでも話すから紫穂に連絡はしないでくれ・・・」
膝と両手を着いた状態で呟いた。
「やっと認めたか・・・まぁいい、とりあえず聞きたい事は二つ。なぜ光樹達を鍛えるのか?それと華奈美との関係だ」
真奈美の言葉に一瞬言葉を詰まらせるが、倶利伽羅様ことみことが重い口を開いた。
「光樹達を鍛えるのは鈴木一族の為だ・・・」
「なに?」
みことの言葉に眉をひそめる。
「鈴木一族、つまり熊野一族の支配契約書、俺はそれを持っている。いずれそれを『誰かに』渡さねばならない。俺を打ち倒す程の力の持ち、優しい心を持った者に」
「渡す?なぜだ、貴様がずっと持っていればいいではないか」

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