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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 359

たたたんっ!
ライフルから放たれた軽量高速弾が、先頭の一発を撃ち抜いた…。

花火の様に派手な炎と共にロケット群が誘爆あるいは爆風に扇られ明後日の方向に着弾…。

「おぉ〜(ぱちぱち)。」
奴隷ズから歓声が上がり、硝煙を吹き消すポーズをキメようとした量子だったが…。
…ひゅるる…
「あ。」

生き残った一発が直撃コース!量子の脇をかすめた…。

「イヤァアアっ!」
気合い一閃、サラが抜刀するなり逆袈裟に斬り払う…。

…斜めに寸断されたロケット弾が不発となり、不揃いな火薬の粒を残して沈黙した…。
…そして雪菜が起き上がり銃座から機銃を外す。

「こぉん畜生おぉっ!」
「あ…ゆっきぃ〜?」
ドアを蹴り開けるなりウォーキングファイヤ(てゆーか突撃)を開始した。

「戻ってこ〜い!」
羽音の制止など聞きゃしない。

…おりゃあぁ…どががが!…
見えざる敵…廃墟の夜空に怒号と銃声が響き渡る…しかし?

…ずぼっ(落とし穴)…あうぅ?…
…すかーん(金ダライ)…どりふっ?…

…ライフルにスコープを着け、雪菜の姿を捉えた量子。
「…なんか…雪菜ちゃん片っ端からトラップ引っ掛かってるみたい…。」
…三分と持たずに…ズタボロになった雪菜が戻って来た…。

「量子っ!?トラップの目印オカシイわよっ!」
「おっかしいなぁ〜?」
雪菜の剣幕に、緊張感のない返事をする量子。

敵に露見する恐れはあるが自爆を防ぐ為…不自然でない程度に目印を施したのだが…。

「やられたわねん。」
机の下に隠れていた羽音が這い出し、サラに両断されたロケット弾を拾い上げる。花火や発煙筒を改造した程度の物だが…。

「さっき…量子ガ仕掛けたトラップ…。」
「あによぉ!」
サラと量子が睨み合うと羽音が割って入った。
量子のミスかあるいは故意に…と雪菜もサラも疑っているだろう。

「トラップ配置はアタシもチェックしたのね…何者かがロケットを逆向きにして作動…後は混乱して出て来た所で全滅…生き残りは仲間割れ…かな?」

気まずそ〜に二人は量子に向き直る。
「ごめ〜ん。」×2

「別に…わかってくれれば…ね。」
量子としては納得しきれない様子だが。

普段の冷静さを取り戻した雪菜が分析する。
「…手口からして音無か…深追いは禁物ね。」
彼女自身が真っ先に深追いして死にかけたのも事実だが、皆あえてツッ込まない。
…兎も角、一応の和解を済ませた奴隷ズが次の作戦を立てている間…ぼん…町の方から爆発音が聞こえて来た。
流たちのアジトもまた音無の無音テロに遭っていたのだ…。


…所々が焼け焦げた雑居ビル…。

流が手頃な蛇口を全開、水操能力で消火していた。
「被害状況は?」

「ボヤで済んだみたいだよん。」
「給湯室だのボイラーだの的確に狙ってやがる。」
美夏と倉之助が報告した。

二人が回収したのは壊れた時計と携帯コンロ…手製の発火装置だ。

中学生の工作程度の代物だが…問題は仕掛けた人間の隠密性だ。

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