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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 347

「ふぎゅるっ!」
「デタラメな説明はいらないよ!分かったか!」

例え相手が気絶してても、
タンカを切ることだけは忘れない未来であった・・・。

それはさておき、監視の眼が光る職場。
元々、彼女たちが彼氏を心配して潜入したのが原因でも、
肝心の彼氏(=光樹、影汰)がいなくては、
どうにもやる気が起こらない。

とりわけ理都なんかは、
風紀委員会に捕まった影汰の事が心配で、
上の空な状態だ。

どうにかして、彼氏の元へとばかり考えていた二人の耳に、
どこかからなにやら言い争う声が・・・
派手なスーツを着たラテン系の男子生徒とメイドが揉めている…というかメイドの方が一方的に罵っている様だ…。
「きいぃっこの浮気者ぉっ!誰よこの前の女ぁっ!?」

「なんでぃ痴話喧嘩か、リハビリついでに暴れてやろうと思ったのによ。」
「理都さん…いけませんわ…。」
未来が切な気な表情で理都を諭す。

「つまらない暴力沙汰で貴女に何かあったら、影汰くんが悲しむんじゃなくて?」
暴力沙汰ならとっくに起きているが…置いといて。
光樹は共学寮に戻っているが、影汰はまだ当分男宿の管理下になるという。
未来は一週間余りの契約が終われば晴れて光樹と同じ屋根の下だが…理都の方は、メイド業が終わればまた、暫く影汰と離ればなれになるだろう。

いっそ理都がメイドのバイトを続け、影汰も同意で男宿に残る…という手もあるが、今泉や理人が何と言うか?
未来は理都の手前、現状を素直に喜べない。
「お、フラれたぜ色男?アハハハ!」
メイドと彼氏のやりとりを指差し笑ってはいるが…無理に明るく振る舞っているのは明白だ…。


「キミ達?どうしたんだい浮かない顔して?」
ほっぺに手形をつけたラテン男が二人を振り向く。
「健気だね…君達も彼氏くんを追ってメイドになったんだって?」

「ええ…。」
「まーな。」
ニヤケたラテン男…肌の白さと彫りの深さからシシリー系か?

前にも説明したが、男宿に来る生徒にも色々いる…無法地帯にしか適応出来ない不良、敢えてそんな環境で腕を磨こうという武芸者…。
「僕の名前はリナルド=カノーヴァ、まぁ…愛という名の陽炎を追う狩人って所かなぁ?」
そんでもって…女癖の悪さで共学寮をおん出された奴。

彼はモテモテすぎてどーしょーもない…という理由で男宿送りになったそうな。
ナンパかよと警戒する二人だったが、口説きにかかる訳でもない。
「旦那の留守に女房を寝盗る程、不自由してないさ。」
「どーだかな?ガハハハ!」

既に理都と打ち解けている。別に口車や小細工を用いた訳ではない…女に好かれる天性の持ち主か?

「で?ナンパじゃねーなら何の用でぃ?」
「辺里くんが帰って来たからそれを…。」

理都は聞き終わる前に土煙を上げて駆け出した。

「やれやれ…。」
「ご用はそれだけではなくってね?」
未来の目線が鋭くなる。

「何、ただの挨拶さ…強い男を倒して名を上げる。」

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