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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 339

「逃げる隙を伺っていたとは思えない素直さだな。」
「対等な条件を提示する相手には…相応に接するまでです。」
紳士的かつ辛辣な一馬に、笑顔で接する影汰。
「…ただし最悪の事態を想定して結界は解かない…。
では現時刻、1317をもって風紀指導に以降する。」
あうぅ…?と疑問の表情を投げ掛ける影汰。
「早い話がカウンセリングだ…君の様な元々は温厚な生徒が、私闘スタジアム等の影響で凶悪化するのは見るに堪えない。
『テロ防止』などという偽善かつ大袈裟な肩書きは抜きにした、話し合いと考えてくれ。」
一馬は説明しながら再びインカムを取り、部屋の外に居る風紀委員に茶を頼んだ。

「単刀直入に聞こうか…君は何の為に戦う?」
影汰は大して間も開けず即答で切り返す。
「強いて言うなら親しい人を守る為…ついでにクラス対抗戦に勝つ為です。」
「…1-C戦、大した活躍だったと認識する。武の高みを目指す生徒を否定する気はない。
しかし!君の武力の方向性が間違っている事は明白だ。
それでも、君の根底にある己を貫く姿勢…更正の余地ありと私は確信している。」

…悪い人じゃなさそうだけど…苦手なタイプですね…
「つまりだ…。」
…あ、やっと本題ですか?…
「風紀委員会に入らないかね?」
…こんこん…お茶をお持ちしました…

「辺里影汰!君が欲しい。」
「お断りします。」

がらっしゃ〜ん…茶を運んで来た一馬の後輩らしき女生徒が、盆をひっくりかえして固まっていた。
「センパイっ!?彼が何者かわかってるんですか!!」
話のタイミング的に…どう見てもショタに告ってフラれたホモだ。
「私は彼を導きたいだけだっ!」
一馬は影汰を風紀委員に誘っていただけなのだが…発言のひとつひとつが確実に事態を悪化させている。
「まさか、先輩にそんな趣味があったなんて・・・」
「趣味?私は彼の能力を見極めた上でのスカウトをしているんだよ。
これが趣味なら、おもしろい趣味をしていると思われるだろうな。」
「・・・」
女生徒は黙ったまま、顔を赤らめている。
一馬自身が普段真面目な為、一つ一つが色んな意味で受け止められる。
つまり、誤解されやすいのだ。

「ねえ、僕の尋問はいいの・・・?」
影汰の方も、萌えオーラをまとう人間なので、
拍車をかけている・・・。

「ともかく、お茶は置いておきます。
ではお二人でごゆっくり。」

バタン!
風紀委員Aこそっと立ち聞き、何でも気になるお年頃である。
「…どんな話してんだろ…。」

聞耳を立てると…ドア越しに一馬のバリトンが響く。
『私は君に…貫いて欲しいんだっ!』

彼女のCPUは、室内の状況を把握すべくフル回転していた…。
「あぅあぅ…貫いて欲しい→センパイ受け→辺里影汰×円城寺一馬…あうぅ?」

…室内…
あくまで真面目な会話である。
「周りが何と言おうとも己のポリシーを…私は君に『貫いて欲しい』んだ!」
「まぁそのお陰でこうして捕まっちゃったんですけど。」

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