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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 328

「拙者は…いや皆、最後の一兵まで…この身、骨から肉が剥がれようとも戦い抜くが本望!」
真の襟を絞め上げる百太郎…。

「止めないか百太郎くん。」
以外にも、止めに入ったのは…。

「アイン殿!臆病風に吹かれたかっ?」
「俺も頭は良くない…だが解った事がある。
奴らはそれこそ…君等日本人が言う所の『飛車角落ち』しかし俺達は…。」
アインだった。
「言うなっ!」
涙を堪え、かぶりを振る百太郎に構わず続ける。
「これ以上無理をすれば…誰かしら怪我や疲労で、明日以降の試合に出られなくなる者が出る…。」
…試合のダメージは疑似ダメージとはいえ、K.Oされれば相当な負担がかかる。そして普通の怪我や疲労で動けなくなる者が出ればどうなるか?
百太郎も理解していた…それを発する、1-Dキャプテン五十土真にとっても苦渋の決断である事を…。
「拙者とて子供ではない、それ位わかっており申す…ならばせめて…!」
「一騎打ちかい?」
ちょっと困ったような表情で、腕を組み思案する真。

一騎打ち…柔道や剣道の団体勝ち抜き戦でも引き分けが続いた際に用いられる。
何より、その英雄的な響きに魅了される者も多い筈。
確かにまだ負け、とは
到底言い難い状況を作っている。

相手の鉄田理都をリタイヤさせたおかげで、前線に出てくる脅威を少しは省けているし、
山本ひじりをKOさせた効果で、
武器や仕掛けを食べられることも、無くなったのだから。

「ふむ・・・。
で、百太郎君、君が一騎打ちしたい相手とは誰だい?
無論、鉄田理都を回復させ、相手に使うというのは無しにしよう。」

やりたい事をずばり当てられて、押し黙る百太郎。
構わず真は続ける。

「もし相手の候補だとしたら、八神陣か牟田丈次になるようだが?」
そう言いながらも真の決断は決まっていた。
「……これは試合であって果たし合いじゃないよ……それに勝利はクラスみんなで勝ち取ってこそ意味があると思うんだ……だからここまでにしよう」
あえて真はクラス全員の力でここまで来た事を強調して、ギブアップを選択した。
勿論、リーグ戦だからこその星取り勘定と次の試合にダメージを少しでも残さない配慮もある。
捨てる勝負はあっさり捨てる……優れたリーダーだからできる決断であった。

だが、さしもの真もこの後の展開までは予見できなかった……
暗く沈んで敗戦を受け止めるD組と違い、A組は歓喜に湧いているかと言えばそうでもない。
不機嫌そうな理人と仏頂面の刀機を前にして、只ならぬ様子に皆そわそわしていた。
「生徒会及び教職員委員会、それに理事会合同の運営委員会からの通達だ……」
内容が気に食わないのか理人はすこぶる機嫌が悪い。
しかしながら、学園で最も重い通達なので、渋々と言った感じで紙を読み上げる。

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