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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 316

「わかったよ。でも、陣くんは大丈夫なの?」
「あいつのは、ただ少々火傷がひどいだけだ。
ほら、早くしろ。ワイルドなお姫様を守る騎士が待ち構えているぞ。」

刀機はインカムを切る。

と同時に、ようやく肩の荷が下りたのか、
流まで「ほっ」としたような表情になっているのが見えた。

「よっぽど心配だったようね。」
「ああ、確かにあいつが途中からノーガードでの打ち合いになったときは、
さすがにハラハラしたからな。」
華菜美の茶化しにも、まともに答えてしまうほど、流には気になっていたらしい・・・。
1-Aでは数少ない良識派…何よりも先ず周囲への気配り、苦労症な性格だ。

「未来ちゃん…次の作戦のサポート、プランBだ…ひじりと連携を…。」
「かしこまりましたわ。」
流はマネージャーやメンバー達に(特にジョーは厳重注意で)作戦の詳細を伝える…。
流は参謀としての才覚に秀でている様だ。
これから先、特撮ヒーローの『ブルー』的な存在として『レッド』(光樹)の副官として活躍する事であろう…。

そして…程なくして光樹と(血相を変えた)影汰が現れ…寝息を立てている理都の経緯を流が説明した。
「…という訳なんだ…済まない…。」
刀機が後を続ける。
「…他に手空きがいないのでな…。」
理都の事だ、光樹の言うことは素直に聞かないだろうし…暴れ出した時、影汰は手加減してしまうだろう、という配慮もあった。

「ちょっと…理都には悪いと思ってる…。」
済まなそうな表情の流に、光樹と影汰は理都を担架に乗せながら答えた。
「リーダーやってりゃ、そんな事もあるよ?」
「ええ…こうでもしないと…理都さんは…。」
リーダーとしての流の思い遣りは通じたようだ。
「うむ…頼んだぞ?」
と刀機が腕組する。
『医務室』
…結局無事にはたどり着いたが…
…。
「良かったね順番早…。」
「良くねぇ(怒)。」
光樹が言い終わる前ににぷいっとそっぽ向く、あからさまに不機嫌な理都…。
「理都さん?流君はリーダーとして…。」
「わかってる…ワガママ通して足手まといにゃなれねぇ(笑顔)。」
影汰に対しては、理不尽な程に素直だった。

なかば刀機の予想通りとは言え、対応のギャップに苦笑いする光樹…ホッと胸を撫で下ろした。
…素直に治療受けてくれそうだし…何事もなく…
「つーか、気を付けろお前ら。」
「はい?」×2
「あの剣とかいう野郎、お前らの首狙ってんぞ?試合と別…個人的にな…。」
…間を置いて光樹は尋ねた。
「何でまた?」
「愛について語ったらよ…俺も未来も男を見る目がないだのブチ切れやがった。」
二人は百太郎の…先日の食堂でのやりとりを思い出した…ちょっとイチャついただけであの剣幕だ。
「はい、気を付けます。」
…納得しちゃったの影汰くん…てえか理都ちゃんのノロケ話で(しかも試合中に)挑発した様なモンじゃん…
何やら波乱の予感に納得出来ず、唖然となる他ない光樹であった…。

…本編に戻る…

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