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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 310

陣とひじりが異常に気付き、スピーカーを切ったお陰で、最悪の事態は免れたが…。
「私の歌を聞けぇっ♪」
「そこの不振者っ!テロ行為を止めなさいっ!」
警備員まで出動…混乱が治まるまでの間、試合中断…。

審議の結果、応援を利用した能力の使用は反則こそ取られなかったが、以後禁止とされた。

…1-Aベンチでは、事情を聞いた刀機が頭を抱えていた。
「確かに現場の判断は大事だ。」
ぎくっ、となる陣とひじり。
「そして指揮官の行動不能。」
軽く忘れられかけていた、リーダー水嶋流もまた、しょぼ〜んとなる。
「皆、君を指揮官と認め、その才覚を…ん?どうした。」
深く沈んだ表情の流…重々しく口を開く。
「俺は…疫病神なんだ…。」
やれやれだぜ、とジョーが肩を叩き励ますが、流はそれを払い退け涙ながらに…。
「刀機さん…俺をリーダーから解に…。」
つかつか…どむっ!
「むぐ…うぅ!?」
「フン!一応、付いてるみたいねっ?」
栗原華奈美の爪先が、勢い良く流のおいなりに…蹲ろうとする流の襟首ひっ掴む。
「妄想番長よりちっとはクールな脳ミソつまってんでしょっ!だったらこれからどうしたら良いか考えなさいよっ!?」
流は、自嘲的な表情で薄笑いしながら、選手達を見渡す。
「俺の指示なんか無くたって…。」
もう一発喰らわせようとする華奈美をジョーが制止した。
「俺も理都も…お前が思ってる以上に無器用なんだ…。」
確かに、流のとっさの判断が無ければ、前線は序盤で崩壊していただろう。
理都もそれに付け加える。
「俺は…どんな奴が出てきたってブチのめす…けど、その後のこたぁ何も考えちゃいねぇ。」
…1-A有利は確かだが、チームプレイとは駆け離れた、集団のワンマンプレイ…たまたまそれが上手く続いてるだけなのだ。
ギターを抱き寄せる陣。
「俺の作戦だって…お前さんが復活するまでの繋ぎだったんだぜ…?」
皆、流のリーダーとして信頼しているのだ…。
「・・・!」
「『テメェ只でさえ存在ウッスィーんだからよ、ここらでCOOL!にキメとけや?』ですって。」
「ありがとう、みんな…けど栗原?俺、光樹と違って華奢なんだから、無茶しないでくれよな…?」
それなりに元気を取り戻し、軽口を叩く流…新たに決意を燃やす…。
…光樹…お前だってリーダー大変だったろうに…俺は…逃げない!…

…その頃、1-Dベンチでは…
「…私がもっとしっかりしていれば…。」
学ラン姿に、タスキ、必勝鉢巻きの少女『応援番長』こと風雲寺楓(フウウンジカエデ)が、力無く膝を突いた。
「楓君っ?」
アインが駆け寄り、華奢な躰を支えた。身代わり能力…前線でのダメージを、その小さな躰で受け止めていたのだ…。
マック星田が担架で運び出されている。
「あうぅ…おいなりさんがあぁ…。」
そして、内股であえぐ黒鉄静…。
流石に一撃で意識を失ったマックや、静の…男として深刻なダメージ(あーゴホン)まではどうにもならなかった様だ…。

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