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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 307

なむ〜。

余程痛かったのか、地に沈む静。
立ち上がってくるか、と思ったら来ない。
・・・どうやら悶絶しているらしい。

アインもジョーの髪の毛に刺さったままだし、優勢なのは明らかだ。
それを見た理都が、やったという顔を影汰の方に向けようとした・・・その時!
殺気を感じ、飛びのく。

「いやぁっ!」

ヒュン!

空振りした物は、まだ巨大化しているアフロへ当たる。

「ぶぐっ!」

「ちっ・・・外したか。」

そこに立っているのは・・・未来と理都しか正体を知らない、「あの」剣百太郎。
アフロで縛られ、ブチのめされていたアインが解放された。
「すまん、東洋のジークフリート!助太刀感謝する!」
アインは百太郎に一礼すると、ジョーとの壮絶な素手ゴロに突入…。

「おいおい、サムライが名乗りも上げず、不意打ちかい?」
刃渡り1.5mの剛剣を抜き放つ理都。
「これは戦だ…とは言え、先程の黒鉄殿の非礼を侘びよう。
あれはあれで無器用な男でな…。」
片っぽ潰され悶絶している黒鉄静に代わり、彼の誤解と暴言を古式ゆかしく謝罪する剣百太郎。
「気にすんな…落とし前は付けたしよ(片玉)?」
おいなりを握り潰す仕草をして見せる理都に、肩をすくめる百太郎。
「しかし解せんな…君、のような…あれだけ旨い味噌汁を出せる女性が何故…。」
理都はその質問に反応、辺りを見回し…他の野郎共に聞かれていない事を確かめた。
「・・・。」
そして、インカムを切ると、百太郎にもそうするよう身振りで示した。
どこか真剣な理都の瞳に気押され、従う百太郎。
「告げ口は趣味じゃねぇんでな。」
「何の事だ?」
「女がどうのって話さ。お互い様だろ?」
「気付いていたか…力強さに奥ゆかしさ…君は良き母になろう。」
その言葉に、理都は照れ臭そうな、微妙な表情で切り返す。
「…さっきの質問だがよ?離れていても、背中を預けられる男がいて…俺もソイツの背中を守りたい…って所かな?」
「あの女形(おやま)の鉄砲使いか…買い被り過ぎではないのか?君といい未来殿といい、男を見る目が無さ過ぎる。」
ムッとした理都だったが、すぐに普段の野生的な笑顔に戻る。
「好みは人それぞれ…お前さんはどうな訳よ?」
理都は質問を返すなり、剛剣をフルスイングに溜め込む。
「士道を貫くに言葉は要るまい。」
刀を鞘に…居合の構えを取る百太郎。
ニヤリと猛獣のような笑みを浮かべる理都。
どうやら彼女には、何となく百太郎の答えがわかっていたようだ。

一回軽く大剣を横に振った後、中段の構えで対峙する。

・・・言葉なんていらない。

二人は闘うことで、『恋』に対してスタンスの違いを示そうとしている。
張り詰めた空間が立ち込めて・・・刹那。

双方同時に動き、相手に切りかかる!


理都は力を最大限発揮できるよう、上段に、そして百太郎は袈裟斬りに・・・吠えながら!

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