香港国際学園〜第二部〜 289
光樹は一時の激情に身を任せた事を詫びた…
「あの…何て言っていいか…すみませんでした…。」
考えを同じくするこの人物…多かれ少なかれ、彼が生徒だった頃、似た様な経験はしているだろう。
「…少しでも理解してくれればそれでいいさ…私は失礼する…。」
「ありがとうございます校長先生…付き合わせてしまって、その…。」
「気にするな…今の私はK大尉という道化に過ぎない…えったちゃん?」
大尉はすぐ側にいたメイドに声を掛け、カードを渡す。
「彼の分は私が持とう…それと…そろそろ銃口を反らしてくれまいか?」
萌えスマイルを振り撒く、へんりえったちゃんの左袖からスプリングの縮む音が微かに響いた。
悠然と席を立ち、店を去る才英…じゃなかった…。
「行ってらっしゃいませ、K大尉!」
…であった。
光樹…ぷは〜…と大きく溜め息をつき、テーブルに突っ伏した。
「で…君はここで何をしてるのかな辺里影汰くん?何が『へんりえったちゃん』だよっ!」
突っ伏したままツッコミする光樹。
「バレちゃいましたか?」
「うん…多分、読者の大半もとっくに気付いてたと思う。」
早い話バイト先、である。
「ねぇ、何でバイトなんかしてるのさ」
「まぁ週に三日ほどだけど、弾丸や新しい銃を揃えるにはお金がいるからね
これぐらいの費用は自分で稼がないと」
「そうなんだ…じゃ僕はこれで失礼するよ」
光樹が店を出ようとすると何故か数人のメイドが光樹の前を塞ぐ、そして
「えぇ、えったちゃんの友達なの…可愛いぃ〜」
「そうね肌も化粧のりが良さそうだし」
「メイド服も似合いそう」
と話し合う、光樹は悪い予感がして「これで失礼します」と店を出ようとした。
しかし妄想の止まらないメイドさん達に光樹は捕まってしまい店の裏まで連れて行かれてしまった。