香港国際学園〜第二部〜 29
「どどどどどいてぇ〜」
急な声に光樹は戸惑う「な何?」
と上を見上げると、人が落下してきていた…
「わわわわわ」
落下してきた人を受け止める形になった光樹は、その人を抱き抱えたまま、地面に倒れ込んだ…
「てて…」
地面に叩きつけられた背中が痛むが、光樹は起きあがる…
「ご…ごめんな!日を改めてちゃんと謝るからさ!」
小柄な体には不釣り合いな細長い包みを背中に背負った黒髪の人影は謝罪も早々と走り去ってしまった…
ドタバタドタバタ…「あ!天地ちゃんいたよぉ〜」
その後を大勢の女の子が通り去っていった…
(可愛い子だったなぁ…いかんいかん!俺には刀機さんがいるのだ)
「今日は入学早々疲れたなぁ…帰ろ帰ろ」
帰路の途中にある公園を横切ったときどこからともなくハーモニカの音が聞こえてきた。あたりを見回すと今日同じクラスで見かけたやつがブランコに。
「あれはたしか…山本くんと八神くん?」
向こうも気付いたらしく、山本ひじりがアイスを(手の平から)食いながら反対の手で手を振ってくる。向かいの柵に座っていた八神も気付いたらしく演奏をやめて、にこやかに挨拶してきた。
「八神くん演奏上手なんだね!」
そういいながら八神の隣に腰掛ける。
「陣でいいよ。能力が音に関係してるからいろいろ触ってるうちにね。」