香港国際学園〜第二部〜 229
そして影太の頭も同じようになでる
「ま、まだまだ及第点にもほど遠いが精一杯やったんだ恥じるこたぁねぇよ」
ハッハッハ・・・と屈託のない笑顔を浮かべた
「んじゃな、『へたれナイト君』、本当に評価して欲しい奴に会ってこいよ」
気が強いお姫様にな、と言うと青年はスタスタ歩き去って行ってしまった
「・・・誰だったんだろう?」
「さぁ・・・でも、気持ちは軽くなった気がする」
何処か父親になでられたような感覚の残る頭を掻くとクラスメイトの待つ控室に歩きを進めた
「考えどおりにはいかなかった…のかな?」
「いやいや…彼は良くやったよ。初戦にしては上出来さ」
貞盛雷は道具一式をアタッシュケースに詰めながら応えた…
「…まぁこれで成長が見られないようだと…退場してもらうまでかな…」
「優しいんだか酷いんだか…恐い人だ」
雷は不敵な笑みを浮かべる…「まぁ僕の優しさとしてとらえてほしいね…」そして二人も去っていった…
学園屋上
そこにあるベンチに寝転がっている青年に芽衣子が近付き脇に座った
「委員長、先程の戦闘結果がでました」
芽衣子の言葉に青年が眠そうな目を擦りながら起き上がる
「・・・A組が敗けた、もしくは勝負に勝って試合に敗けた感じになったかのどちらかだろ?」
委員長西珠久の言葉に芽衣子が驚く
「驚くことはないさ芽衣子君、貞盛雷君の事だ、『それくらい』の事はやってのけるはずさ」
ボリボリ頭を掻きながら欠伸をする
「・・・今後、どうなるんでしょう?」
「さぁ?なるようにしかならないんじゃない?」