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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 227

観客席からは、当然天地が気絶している事などはわからなかった。 少しの静寂の後、ざわめき始める観客席。 特に天地ファンクラブ席からは、身勝手な罵声が大きくなっていた。 やがて観客席から、立ちつくしている光樹にむかい、ひとつの空き缶が投げられた。 それは光樹には当たりはしなかったものの、第2投、第3投と波紋をひろげていく。 綺麗な姿のまま立たずんでいる天地。

一方、傷だらけでボロボロになったうえに、観客席からのゴミでさらに体を汚されていく光樹。 最初お互い、立ち尽くしているだけに見えた二人だったが、その姿はどんどんと対象的なものへと変化をさせていった。 そのまま力なく倒れ尽くす光樹。ほとんど暴徒と化していた、天地ファンクラブ席から狂喜の歓声があがりはじめていた。 「うーん、お喜びのところ、悪いんだけどさ、天地君が先に気絶してみたいんなんだよねー」アナウンス席から、いつもどおりふざけた口調で話すやなくだか、言葉の節々から感じられる迫力は観客席を静めるには充分であった。

一瞬の静寂のあとに沸き上がったのは・・・、予想通りの大ブーイング。
やはり観客は、いつの間にか悪になってしまったA組の応援なんか何のその、ファンクラブだけでなく、他のクラスからも天地コールが響いてくる。
これまで雷の予想を当ててくれる観客がいただろうか?
いや、今まで発生したことは無かっただろう。
底の知れない恐ろしさが込み上がってくる、C組の連中。
そして・・・

「え、えぇっ!やっと勝てたのに、まだ不満なの!?」
と光樹はもはや、支持を失った政治家がうろたえるように、周りをキョロキョロして落ち着いていない。

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