香港国際学園〜第二部〜 220
スタジアムに立った光樹を包んだのは大きな歓声と口汚い天地ファンクラブによる罵声。 しかし光樹をそんな罵声を意にかいさないように、落ち着いた表情で一歩また一歩と、天地に向かい歩を進めていく。
天地をベビーフェイス(善玉)とするなら光樹がヒール(悪玉)か…。
「来てくれたね。桜川くん。」
「ああ、君もこの試合に対して、思う所があるだろうし…それに応えないと…。」
対峙する両雄。
…ベンチで光樹を見守る、過保護ママの様な未来…その肩を叩く理都がいた。
「…理都さん…?」
「俺もな…影汰が戦うって言い出した時は…。」
影汰が試合に出られると決まった時は泣いて喜んでいたが…。
「嬉しいけど…なんか遠くに行っちまうみたいだよな…。」
彼女も女として、未来を理解していた…。