香港国際学園〜第二部〜 208
一見、暴走してるだけとも取れる1−Cの展開だったが、確実に1−Aの戦力を分散させてゆく…。
…1−Aベンチ…
マネージャー達が切迫する状況を報告していた。
「通常の3倍の速度!こんな速い山田さんは有り得ません!大地くん押されてます!(華菜美)」
「総長さん…最終防衛ライン突破しました〜?(皐月)」
「…理都さんと吹雪姉の『オラオラ』はこちらが優勢…。(未来)」
守りを固めるか、理都VS桜の脇をかすめてこちらも人質奪還、一発逆転を狙うか…光樹は二者択一の決断に迫られていた。
見るに見兼ねた流が光樹に囁く。
「光樹!サーフボードを具現化出来るか?」
「へっ?何で・・・。」
流は(この男には珍しく)、ニヤリと笑う。
「あそこまで、能力でおし流してやる。今がタイミングだ。」
指し示す先は、人質の羽音のいる場所。
・・・確かに今は理都ちゃんと大地君が止めているし、誰もこっちには来ない。チャンスかも・・・
考え込む光樹。