香港国際学園〜第二部〜 201
魔女(山田さん)に狙われちょこまかと逃げ回る大地に光樹から…。
『大地くん、粘ってくれ!サラが狙撃配置についた!』
「了解!」
ちゅいん!
直撃こそないが、先回りするように拳銃弾が撃ち込まれ、たたらを踏む大地。
「アハハハ!死んだ××だけが良い××だっ!」
魔女(山田さん)の死角に位置したサラが構える…影汰の射撃能力のコピー、1−A全員での勝利の為『光樹以外の男に触れたくない』というわだかまりを捨てたのだ。大地もまた危険を顧みず囮役を買って出る、その心意気や良し…しかし。
…通信内容は全て、雷に傍受されている事に気付いてなかった。雷は1−A側に気取られぬよう魔女(山田さん)に細部指示を出していた…。
「…かかったな…雌豚…!」
狙撃に気付かぬフリで上空を旋回する魔女(山田さん)、精々時速20キロ…丸薬を飲み下すサラ。
「…エイタ…チカラを…。」
…狙撃モード…軌道を予測、天に祈りを捧げるかの様にライフルを掲げスコープを覗き込む…。
「え…?」
…魔女の姿はない…それどころか目の眩む直射日光…網膜を焼かれ(た錯覚)ライフルを放り出し、のたうち回る…。
「アアッ・・・眩シイ・・・」
説明しよう。
光の正体は、魔女がひそかに隠し持っていた閃光弾であった。
本来、相手の目眩ましや位置の確認などを行う為に使う兵器。
これを細かく人間が持てるように改造され、今回のように対人兵器として使われたのだ。
もちろん、C組の連中はアンテナ付きサングラスを装備なのは言うまでもない。
話に戻ろう・・・。
眼を閃光弾でスコープ越しに灼かれたサラ。
前が見えない。
光樹も、更には大地、雪菜までもが、魔女の閃光弾の餌食となってしまった。
高笑いする魔女、外部からニヤつく雷。