香港国際学園〜第二部〜 182
そう、薄々感づいていた。
彼女たちが暴走して、他人の命令も聞かないことも、
それによる弊害も起こることも。
だが、現在の光樹、影汰では心が弱すぎる。
いや、まだ波に乗れていないからこそ、打たれ弱いこの二人と、周りの連中(サラ、雪菜など)の精神強化も含め、敢えて送り出したのだ。
だが、これが新たなクラス内での歪みを拡大したとは・・・
刀機は皐月に軽く微笑むような表情を見せ、
現場にいる、彼らの『試練』を眼光鋭く見つめた・・・。
一方、問題の光樹はというと・・・
…ボイコット宣言したものの、光樹への最後の義理立てか?霧子に銃剣を突き立てた影汰に…かける言葉もなかった。
「もうたくさんです…帰っていいですか?」
「影汰くん?その…。」
言葉が出ない光樹。
…タダでは帰さん!…
しゅいいいん!
マウントから脱出する、K.Oされた筈の霧子?
「けほ…予備弾倉は…多目に持っておくものだな…?」
懐にしまってあった物か?影汰の銃剣の切っ先には、ひしゃげた弾倉が刺さっていた。
「総長!天地くんを頼む!」
後方待機中の味方にインカムで伝達する霧子。