香港国際学園〜第二部〜 171
冷や汗・・・の光樹。
影汰は笑顔のまま、
「理都さんの悪口は言わないで下さい。
もし次に言えば・・・撃ちます。」
と、おっかない台詞。
「それに、今更言わなくても、僕は理都さん以外は愛したくないです。」
という、端から見れば頭を抱えたくなる言葉をさらっと言い放つ。
もはや笑うしかない。
光樹は自分の知らなかった最後の能力を、溜息と共に、心底呪った。
寝坊した理人が、食堂に入る前にこの異様な雰囲気を察し、他の所へ行こうとしたのは言うまでもない。
理人が察した通り、朝の食堂は修羅場と化そうとしていた…
光樹に銃を突きつける影太。彼のコメカミ数センチの所を何かが通り過ぎ、ドスッと言う鈍い音で壁に突き刺さる。
影太の髪を少し切り裂いて飛んだ物は出刃包丁………未来の手から凄い勢いで発射された物だった。
「影太ごときが…」
笑顔でコメカミをひくつかせる未来……非常に怖い笑顔に元来気の弱い影太はたじろぐ。
「影太ごときが、わたくしの最愛の方をどうかするおつもり…」
未来だけで無い。
雪菜は懐からショットガン(何故)、量子は脇から鉈(何故?)、サラは背中から釘バット(何故??)、羽音は机の下からタイ○ースメガホン(何故ぇ???)を取り出して影太を笑顔で敵意丸出しに見る。
はははと乾いた笑いをしながら影太は後ずさる。5人のヤバいオーラに気弱な少年は完全にビビり涙目になっていた。
周囲にいるA組の面々、光樹に至っても5人のヤバさに助け船も出せない。
「おい、淫乱セレブ…オレの影太を苛められちゃあ、黙ってらんねえぜ」
泣きそうな影太を抱きしめ理都が未来の前で仁王立ちになる。
「あら、アマゾネスのご登場?……ちょっと飼い犬の教育がなってないのでなくて?」
睨み合う理都と未来(+4人)の仁義無き抗争が勃発しそうな瞬間……
女の子の黄色い声と、小柄な美少年が現れた。
困惑顔の美少年とそれを取り巻く女の子達。理都と未来達も毒気を抜かれ、一時休戦して一行を見ていた。
「C組の連中だね……」
「あんな生白い顔だけの子…どこがいいのかしら…」
理都が黄色い声を忌々しそうに聞き流して言い、未来はふんと鼻で笑う。