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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 154


1人、羽音だけはカラオケ状態で、目を瞑って熱唱……その様子は余りにもアホらしかった。

そんな、力尽きるB組を後目に大地が敵陣に走っていく。
意識を保っているのは梨花と鷹獅。鉄の意志と強い責任感を持つ彼女は、フラフラになりながらも大地を追おうとし、不良らしい意地とツッパリの塊、鷹獅も歯を食いしばって一歩ずつ進もうとする。
2人の意志が強いとは言え、まだ15歳の少女と16歳の少年である。
しかし、2人共、過酷な轟音地獄に髪を振り乱し涙を流すが、何とか耐えながら歩みを止める事無く大地に向かって手を伸ばす。
届かぬのにも関わらず手をのばそうとする梨花、そしてもがきながらも歩みを止めない鷹獅。
「鷹獅っ!、梨花っ!、もういいっ!……もういいからやめておくれっ!!」
絶叫するおろちの目から自然と涙……いや、控えのB組全員が泣いていた。
この時、確かにB組は一つになっていたのだ。

A組の訳の解らぬ攻撃にシーンと静まり返っていたスタンドも、梨花の必死の奮然に心打たれ、徐々にB組への声援が増えていった。


そんな状況に、一瞬この少女に恋する友の方を振り返った陣だが……友は刀機の方に目をやる。
冷徹に首を横に振る刀機に、ひじりは陣に向き直ると彼だけに解る悲しみの表情で、しっかりと横に首を振った。
友、ひじりの決断に陣は羽音に頷いて見せた。
トドメとばかりに、耳をつんざくような羽音のシャウトが始まった。
もう限界ギリギリだった梨花と鷹獅にとって、トドメとばかりに襲いかかってきた超音波シャウトに対抗する術は残ってはいなかった。


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