PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 137
 139
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜 139

観客席…煮え切らない膠着戦、濃い霧で状態がわからない…ブーイングの嵐だ。
「やり方がセコいぞA組!」
「なにやってんだB組!そんな弱小クラスぶっ潰しちまえ!」
罵倒の波紋が広がって行く。
「…やれやれ…好き勝手言ってくれるぜ…」
牟田丈次がぼやく。応援席、他の1−A生徒も似たような心境だ。
特に騒がしい辺りに視線を向けてみると…同じ顔をした奴が二人いる?
「・・・?」
最初は気のせいかと思ったが、そいつは散々野次を煽ると人ごみに消えた。そしてまた別の場所で煽っては消える…。

鎹保の変装(バレバレ)だろう。
「こないだのカスガイとかいうヘタレじゃない?」
綾瀬雪菜はクールに笑い飛ばし、他の面々も同じくする。
「僕…理都さん信じてますから…。」
「おぉ〜っ?」×9
久々な影汰のラヴ発言に盛り上がる応援席、野次を気にした気配など…。
『おらデカ女ぁ!オカマ坊やとベッドで頑張りすぎて足腰立たねぇかぁ?』
影汰の照れ笑いが引きつる。
「…ちょっとトイレに…(怒)。」
「行ってきな。」×9
…喧騒に紛れた銃声(麻酔弾)に気付く者はいなかった…(合掌)。



一方、闘いの方は……
「仕方無いねぇ……タイムだよ!」
おろちはここでタイムを使う。二枚のタイムを思わぬ形でA組、それも腕組みしてふんぞり返る小生意気な小娘にしてやられたのだから、内心は穏やかで無かった。
控え室に帰るなり、おろちは梨花を呼び止めた。
「こうなれば、多少の損害覚悟で力業で突破するしかないわねぇ……奴らの小細工は、それだけ戦力が無い証拠だしねぇ……」
「ソウか……ソレは同感ダ」
おろちの言葉に梨花は頷く。
いくら犬猿の仲でも、お互いの能力を認め合う……それがB組の強さになっていた。
2人共、A組最強の刀機が闘いに出ない事に疑問を感じていたが、この次から次へと繰り出してくる作戦に指揮官としての能力を認めざるをえなかった。
しかし2人共、『策士』刀機の実力をまだ計りきれていなかったのだ。


タイムが終わり試合が再開される。
突破しようとするB組の前で、いきなり霧の壁が消えたのだ。
一瞬躊躇するB組……その一瞬が彼等の判断力を奪ったのだ。
そして巻き起こる強烈な砂埃……そして『うろたえるな!、一旦引けっ!!』と言う鷹獅の声。
いきなりの事で、その声の真意を確かめる者はいなかった。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す