香港国際学園〜第二部〜 126
「えぇっっっ?????」
──き、聞いてないよ〜っ!?──
いきなり選手宣誓に指名された光樹は当然パニくる。
──しまった…桜川に言うの忘れてた…──
一方、大会運営席側に並ぶ教師陣の中にいた理人は、件のすっぱ抜きの騒ぎですっかり選手宣誓のことを忘れており冷汗をかいていた。
『・・・!』
あたふた壇上に上がる光樹に目配せする音無次郎。
「・・・。」
光樹は心の中で毒舌で饒舌にして無口な彼に感謝した。気を取り直しマイクに向かう。
「・・・。」
「我々生徒一同は!スポーツマンシップにのっとり…!」
にやり、と笑う刀機。無論宣誓の内容は音無のアドリブだ…こんなこともあろうかと(笑)『音無語』のレッスンをしておいた甲斐があった…(他クラスの生徒は聞き取る事すら出来ない)。
「・・・!」
「…戦う事を誓います!」
先程の狼狽はどこへやら、得意満面な光樹…。