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香港国際学園〜第二部〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜 12


観客席に移った新入生から少し離れた所に、刀機はよく見知った男を見つけそっとそこに向かう。
眼前の光景に釘付けになっている新入生達は、誰一人として刀機の行動に気付く者は居なかったのだ。

刀機はその男に近づく。男は警備員の姿をしているが、何か更正したての不良少年のような雰囲気を醸し出していたのだ。
「久し振りだな、刹那……」
「なんだ、刀機か……」
鋭い目で見下ろすその男、銀城刹那は姿形の変わった刀機を正確に認識した。
「凄いな。この姿の私を分かったのはお前だけだ」
「俺様からすれば、分からねぇ方がどうかと思うぜ……テメエからは刀機の臭いしかしねぇからな」
そう言ってニヤリと笑う刹那。その口元からは鋭い犬歯が覗き、刀機の姿が小さな女の子だけに、どうしてもこれから襲いかかろうとするヤクザ男に見えてしまう。
「ふふっ……本能のままに生きてる者の方が、時折物事の真偽を見抜くものだな……」
「うるせえ、これでも俺様は理性的に生きてるんだ」
腕組みして足を組んで座るおおよそ見た目と合わない座り方をする刀機の横に、刹那もぶつくさ言いながら、どっかりとまるでチンピラのような座り方をする。



…あれ?刀機さんは??──

いきなり私闘の見学となり落ち着かなかった1−Aのクラスメイト達だったが、光樹は刀機がいないことに気付き辺りを見渡す。
するとガラの悪そうな男の隣に座っているじゃないですか!
「あわわわ…、た、大変だぁ…刀機さんが襲われる〜〜っ!」

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