転校生 7
「枕営業もしてるから、義理でセックスとかも平気なんだって思ってる?」
アイドルには元ヤンが結構いるし、若いころには悪さをしてきた役者も案外いて、プロダクションと闇の勢力との繋がりとか僕の知識は薄っぺらだ。
「べ、別に…芸能界のことあまり知らないし、個人的にはアイドルはアニメのほうが…」
「せっかくだから、ファンになって。佐藤冴子の女としての魅力を知ってくれたら、ほしなさえを好きになってくれるでしょ?」
一緒に歩いていていた彼女が僕の手を握ってくる。学校の塀は高いし、金網の部分も木が植えてあって中が見えにくいから、外からは見られない。
「明日の新入生の歓迎パーティーの話は聞いてる?」
「え?なにそれ?」
「体育館で新入生を歓迎するパーティーをやるんだって。一緒に参加しようよ。」
(まあ、男の転校生は僕だけだけど。女の新入生は他にもたくさんいるんだよな。)
僕は、編入試験のシーンを思い出した。
試験と言っても、そんなにヘビーな試験があったわけではなかったが、確かに同時に試験を受けていたけっこうたくさんの女子を思い出した。
そのうちの何人かが、今回の編入生なんだろう。
そうだな、どっちにしても、友達を増やす機会なら、参加しない手は無いだろう。
「うん、行くよ、何時から?」
冴子さんは、ごく自然にスマホの連絡先を交換して、その情報を送ってくれた。
僕は、その概要を読んだ
「えっ…新入生は、一発芸を用意すること?!」
「芸って?」
「例えば縄跳びよ。制服の上だけ脱いで跳ねると、オッパイぷるんとかパンチラするでしょ?ボディの成長具合や下着選びのセンスが試されるの。
後は、見られてるということを意識して美意識を養う女の修行の初歩」
「なんか、異性にも魅力的な修行だね」
「あんまりガン見しないほうがいいよ。盛り上がってくるまでは。生徒会に入るんでしょ?悪ノリとか目立ち過ぎは禁物よ」
「気をつけます。」
「まあ、得意なことをやればいいわね。歌とかダンスとかサッカーのリフティングとかマジックも受けると思うわ。」
「そういうのなら何とかできるかも。趣味でストリートダンスとサッカーやってたし。」