転校生 3
1部屋目は生徒会長の新藤真理さん、2部屋目は久保優子さん、3部屋目は佐藤冴子さんだ。
真理さんが僕に話しかける。
「今の時間ならみんな寮にいると思うわさっそく行きましょう。」
「は、はい。2人に会うのが楽しみです。」
「じゃあ、部屋の案内は、真理さんよろしく。何かあったら、ここに連絡して」
七海さんは、部屋の場所や連絡先を書いた名刺のようなものを渡してくれた。
僕と真理さんは、まず、久保優子さんの部屋に向かった。
「2人部屋なんですか?」
寮が何人部屋、という情報はまだなかった。「だれそれの部屋」という表現から判断すると、2人部屋なのかなあ、と思った。
「いくつかのパターンが、あるんだけど、今回の候補の部屋は、2人部屋」
そのうちに、表札に「久保 優子」「 」とある部屋についた。
「ゆうちゃん、ルームメイト候補連れてきたよ」
「きゃ!真理さん、ノックくらいしてくださいよぉ」
ゆうちゃん、と呼ばれたその女子は、上半身には何もつけず、下半身はただパンティー一枚で、くつろいでいたところだったようだ。
「いくら暑いからって、なんて、恰好をしているの。早く服を着なさい。」
「は、はい!!すいません!!」
ゆうちゃんと呼ばれたその女子は慌てて服を着た。それでも、おっぱいやアソコがすぐ見えそうな薄い生地の私服だった。
「あれ?ぼくの隣の席に座っていた子。」
「そう。クラスに男子が来る、寮に入る、って聞いて、写真を見て、ルームメイト希望を届け出たんだ…真理さん、受理ありがとうございます」
「まだ決まったわけじゃないからね」
真理さんは胸の前で腕を組んでそう言った。
写真が出回っていたなんて、ちょっと何とも言えないが…
「来てくれてうれしいよ。ねえ、もっとお話ししよ」
優子さんが、僕の手を取った。
やばい、もう、ガマン汁が、出てくるかもしれない…
「上田君、候補の部屋には、希望すれば一晩ずつ泊まれるんだけど、今晩どうする? 冴子のところ行ってから決める?」
「冴子さんのところに挨拶に行ってみます。」
「じゃあ、行きましょうか。」
「じゃあ、お話はまたあとでね。」
優子さんは部屋のドアを閉めた。
冴子の部屋
でも、いくらノックをしても返事がなかった。
「あれ?おかしいわね。あっ!ごめんなさい。冴子はアイドルのお仕事でテレビ局にずっと行ったままなのよ。」