風紀委員Girls! 775
まあ大したトークは期待してないけど、その真剣さに応えてやらないといけないかな。
美菜子は仕方ないな、というように微笑む。
「いいわよ。本当に少しでいいならね」
「はい!」
立ち話も何だから、近くのファミレスに入って話を続けることにした。
「梶田くん…だったはよね?…」
美菜子は目の前の少年の名前すらよく覚えてはいなかった。
「あっはい。梶田脩…“脩”って呼んでくれて構いません…」
「それじゃあ“脩くん”って呼ばせて貰う…私のことは“美菜子”でいいよ…」
「うわぁ感激だなぁ、でもやっぱ俺も“美菜子さん”って呼ばせて貰いますよ…」
「私なんかが気になるなんて、脩くんもモノ好きだね」
「いえ…俺は美菜子さんが一番…」
ドリンクバーを注文して飲み物を取りに行こうとすると脩が立ち上がり2人分のジュースを持ってくる。
「ありがと、わざわざ」
「男として当たり前でしょう」
「そうなの?」
「もちろんですよ…女子の為に精一杯尽くすってことは、先輩たちから教わっていますから…」
いかにも青海の男子が言いそうなことね…
「精一杯って…何に関しても?…」
美菜子の頭に浮かんだのはもちろんセックスのことだ…
だけどそんなことは悟られないように、何気ない顔でジュースを啜る…
「もちろんです」
脩はきっぱり言い放つ。知ってて言ってることだろうか?美菜子は考えた。
ふと窓の外を見た。
舞、真里奈、彩の3人がちょうど通りかかったところだった。
幸いこちらには気づいておらず、美菜子はその後ろ姿を目で追うだけにした。