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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 60

ニコニコ笑う高森先輩と、ニヤニヤ笑う菊川先輩…
ああ、いい人ではあるんでしょうけど、対応するのが大変そうな方々だ…

「エロ担当、って」
「18禁まではいかないまでも、結構過激な絵を描くんだ」
「うちの部だけならまだしも、美術の授業でもそれをやるから先生には目をつけられてるんだよね〜」
磯村先輩もニヒルに笑う。

 美術の授業、と聞いて、僕は自身が受けている授業を思い出して赤面した。
「あ、あの、美術の授業の先生、って久保田先生ですか?」
「そう、美術の先生は高等科に一人しかいない…あ、もしかして授業でヌード描いてるの?」
「はい…」
 僕は磯村先輩に答えた。

「あの先生にとって、ヌードもあくまでも芸術の一形態なんだけど、理紗の作品は、芸術に見えずにエロの方向だし、理紗自身も『芸術です』のような主張をしないから、先生は気にいらないみたいなんだ」

「酒本君は脱いでるの?」

 菊川先輩は、いたずらっぽい表情を見せながらそう聞いた。
「いえ、まだモデルの順番じゃなくて…」
 菊川先輩、ますます僕に近づいてくる。
「アタシの、男子の裸のモデルになってもらおうかな…七世先生と同じで、あくまで、脱ぐのは自由だけどね」
「あ、あの…」
「理紗ぁ、そんなこと言っていると酒本君敬遠しちゃうでしょ」

「あっ、うん、ごめんごめん、いきなりこんな話もないよね」
「い、いえ、別に…」
菊川先輩、確かにめちゃくちゃな人だけど、悪い人じゃなさそうだし…

「まあ、このエロ担当にまとわりつかれて困ったらいつでもご相談を」
高森先輩が僕の肩をポン、と叩く。

「高森先輩は、どんな作品を書いているのですか?」
「私は…いわば…女子の妄想かな」
「妄想ですか?」

 さっきからのつながりで、一瞬性的なものを思い浮かべた。

「女子の妄想、っていうのは、私が思うには、だけど、地味なヒロインが学校一のイケメンと付き合って大事にされる、っていう感じで。私が書いているのはそういう感じのストーリーよ」 

 高森先輩は、いくつかのそれに該当する漫画とかラノベとかアニメとかの例を挙げたが僕には知らないものばかりだった。
「女性向き作品って、あんまり良く分からなくて…」
「そうよね」

 高森先輩は、少し間をおいて、こう言った。
 
「男子の妄想って、一人の男子の主人公の周りに何人もの可愛い女の子がいて、みんな主人公のことが好き、っていう感じじゃない?」
 高森先輩は、こちらの例もいくつか挙げた。こちらは、僕にも分かるものも中にはあった。

 そういえば、例のネット上の小説もそれに該当するかな。

「酒本君の現状も、そうなんじゃない?」
 高森先輩は、いらずらっぽく笑って、そう言った。
「えっ?」
「まあ、当事者は分からないものよ」
高森先輩は、入部したらその辺のことも教えてあげるよ、と付け加えて自分の作業に戻った。

…随分時間が経った。
皐ちゃんは、最初こそ緊張してたけど、今はだいぶそれも解けて楽しそうだ。

「たっくん、うちの部活、どうかな?」
声をかけてきたのは伊織ちゃんだ。

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