君の人生、変えてあげる。 411
「はじめまして。僕は酒本拓真」
「知ってる!たっくんさんだよね!」
「胡桃姉からいろんな話聞いてます!」
中身もお姉さんに元気で活発そうな子たちだ。
「2人も涼星?」
「はい、涼星中学です」
やっぱり。となると桃花ちゃんは来年の春にはお仲間となるのだろう。
楽しみだ。
そのうち、桃花さんは、胡桃ちゃんに向かってにゃっと笑った。
「部屋から二人出てきた、ってことは、姉ちゃん、ヤッてたの?」
「ええっ??」
「桃姉ちゃん、何言ってるの?!」
「え、ええと、そうだよ!」
あまり秘密にし過ぎるのもよくないと思い白状する。
胡桃ちゃんもやれやれ、という感じの顔だ。
「モモもそういうの知ってるお年頃ってわけか」
「まーね。たっくんさんは優しい人っぽいから、なんか、いいなぁって…」
「ちょっとモモ、あんたまさか…」
「たっくんさんって、決まった彼女とかいるんじゃなくて、たくさんの女子を受け容れてくれている、って噂だし…」
「中等科でそんなこと言われてるの?」
「そう、だから、チャンスがあったら、私も、仲間に入れたらいいなぁ、とか、思ったんだ」
「中等部にも話が広がっていたなんて…ちょっと恥ずかしいような気がするけどな」
「私も知ってます!」
梨香ちゃんも言う。
「たっくんには話してないかな…ごめん。ウチのクラス、中等部に妹がいる人間が多いんだ。律とか有佳とか…天音もそうだし、陽菜子もじゃなかったかな…」
胡桃ちゃんが胸の前で両手を合わせて言った。