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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 2

「私は会長の柏原歩。よろしくね」
そう言ってニコリと笑う。
その顔は校内の美少女の頂点に立つだけあって非常に可愛らしく、思わずドキッとしてしまう。
動揺を隠すため、僕は思い切って彼女に尋ねる。

「何故、僕がここに呼ばれたのでしょうか」
「理由はひとつ、単純明快。穂積樹くん、君に生徒会役員になってもらうためだよ」
「そうですか…ってぇええええええええええ!?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
…いきなりなんて事を言うんだこの人は!

ましてや、僕は先の生徒会選挙では投票すらしていないというのに。

…気持ちを整理しようと辺りを見回すと、知っている顔が視界に入る。
「熱田さん、どういうこと?」
同じクラスの熱田葵さん。
彼女もかなりの美少女であり、1年生ながら選挙で役員に選ばれるのは納得だ。

「うーん…穂積くん、会長さんに逆らうのはよくないと思うよ?」
「そっ、そんな…」
救いの手はあっさりと翻された。

「まあまあ、落ち着いて。ちゃんとした理由を話すからさ」
会長さんは泰然としながら言い放つ。
…いつの間にか口調がやけにフランクになっておられる。

―会長さんの話が始まる。
「恥ずかしい話ではあるんだけど、ここ最近…先代までの生徒会はやりたい放題が酷くて、先生やPTAからはよく叱られてた。その中に私もいたんだけど…」
意外な話だと思った。
桜樹台といえば、僕らの間ではいつの間にか『お嬢様女子校』のイメージがあったからだ。

「桜樹台が男女共学になったのは、そんな生徒会の暴走を止めるためでもあったんだ」
「そうですか…でもそれと僕と何の関係が?」
「うちの生徒会は生徒の人気投票で決まる。まともな生徒会になるなんて思えない、でしょ?だから、男子を一人『優良推薦枠』として入れるよう学校から言われたんだ」
「はあ…僕が選ばれたのは何故…」

「ん?今年入学した男子で、君が一番イケメンさんだと、満場一致で決まったからだよ」

「…へ?」
また変な声を上げてしまう。

「…それだけですか?」
「うん、それだけ」
会長さんはあっけらかんとした口調で言い放つ。

「辞退させていただきます」
「おっと、そうはいくかしら?」
会長さんの横にいた女子生徒が声を上げた。
会長さんとは対照的に、大人っぽくて色気がある。
…っていうか、胸元が丸見えです。

「私は副会長の一宮真希」
彼女の話は続く。
「穂積樹くん、君の家は代々剣の道に優れた一族だそうね?」
「は、はあ」
現に僕が普段からお守りにしている脇差もその象徴だ。

「君には、お姉さんがいるよね?」
「ええ」
「そのお姉さんは桜樹台のOGであり、生徒会長でもあったのよ」
「そうなんですか!?」
…実は、姉とはここ数年くらい、まともな会話をしたことがなかった。
僕以上に剣の道に優れていて、性格もきつくて厳しくて、どちらかといえば苦手な存在だったのだ。

「聞けば、君はお姉さんには頭が上がらないと言う」
…!?
彼女…真希さんの手元には一冊のノートが。
まさか、アレには生徒の個人情報が…?

「お姉さんにこのことがわかると、君は…」
「発言を撤回します」
僕はあっさりと降伏した。
誰よりもおっかない姉である。
僕が生徒会入りを拒否したと言う話が伝われば、僕は命の危険に晒されてしまう。
(大袈裟な話かもしれないが、僕にとってはそれくらいなのだ)

「決まりだね♪樹くんには副会長をやってもらうよ」
会長さんから一枚の紙を渡され、僕はそれにサインする。

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