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堕落の煙草
官能リレー小説 - 学園物

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堕落の煙草 2

スーパーでの買い物中美香はなんだかイライラしていた。
(なんであたしがこんな事…はっ!何考えてるの私)
いつもなら楽しんで夕食の買い物をしていた美香だったが今日はなんだかおかしい。
「きっと疲れてるんだわ」
と自分を納得させるように言い聞かせる美香。
いそいそと買い物を済ませてスーパーを後にすると出口の方で大荷物を抱えて困っている老人に出くわす。
「どうしました?」
「いえねぇ〜。いろいろと買い過ぎてしまってね。どうやって帰ろうか困ってねぇ」
と老人は途方に暮れている。
(バッカみたい!なんでそんな買い方するかなぁ)
と不意に美香は老人を蔑んだ目で見てしまった。
「!?」
自分自身の感情に驚きを隠せない美香。
(なんてことを…)
「おばあちゃん。良かったら家まで荷物持ってあげようか?」
「でも…悪いわ。」
(なにそれ…折角あたしが荷物持ってあげるって言ってるのに。感じ悪っ!)
苛立ちを隠せない美香。
さっきまでとは違い自分自身の感情に驚きや反省は無かった。
「じゃあお願いしようかね。」そんな美香の感情を知ってか知らずか老人は荷物を差し出した。
(なにそれっ!結局お願いするんじゃん!!なら最初から言えばいいのに)
いつもなら素直に笑顔で受け取る美香だったが老人に向けられた笑顔は必死に苛立ちを隠そうとした作り笑いだった。

自分の感情に翻弄されはじめた美香。
それがあの「堕落の煙草」のせいだとは露にも思わなかった。
老人の荷物を家まで送り届け終わる頃にはもう夕暮れになってしまっていた。
(はぁあ…折角手伝ったんだからお茶ぐらい用意してくれてもいいのに)
とまたしてもらしくないことを思う美香。
前ならば親切にするだけで心が躍り爽やかな気分になっていたが、今は相手の態度に苛立ちさらに見返りまで求めるようになっていた。
「あっ!もうこんな時間!!早く家に帰らないと」
自分の変化に疑う事もなく足早に帰路に着く美香だった。

家に着くと母が多少苛立ちながらキッチンに立っていた。
「ただいま〜。あっごめんね。」
と母に謝罪する美香。
母は溜息混じりに呟いた
「あんたねぇ〜。別に遅くなるのはいいけど連絡ぐらいしなさいよ。もぅ疲れてるんだから…」
と不機嫌な顔で美香を見た。


母は今でこそ眉間に軽くシワを寄せているが普段はかなりの美人であった。
スタイルも良くとても子持ちには見えない。
顔立ちも整っていて典型的な美人顔。
年齢は37歳だかどうみても20代後半
よく姉妹と間違われる程だ。
だが男っぽい性格 
と言うかかなりサバサバしていて他人にあまり遠慮がない。
特に仲の良い人だったら本音をずばずば言ってしまう多少キツイ性格なの珠に傷だったりする。
親子関係なら尚更の事だった。そんないつもの家族の会話の光景だったが一つだけ違うものが
美香の感情である。
顔は笑顔で口からでる言葉も謝罪と反省だったが、心の中
すなわち感情はいつもとひどく異なっていた。

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