PiPi's World 投稿小説

陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 2
 4
の最後へ

陣陽学園〜Fight School〜 4

細身であるが鍛え上げられた筋肉に刻まれたタトゥー。
彼女が何者か分からない出流だが、只者ではないのは理解できる。
だが、柔らかな胸の膨らみはかなりのボリュームで、そこだけ女を主張していた。
恥じらいもなく堂々と晒されたそれに、女っ気の無い生活をしていた出流にとって朝から衝撃すぎるものであった。
動悸収まらぬ出流だったが、ようやく我に返り慌てるように制服を取る。
今時古風なファスナータイプの濃紺の学ラン。
ブレザータイプの制服が主流の昨今、かなり異彩を放つが出流は嫌いでは無い。
それをいそいそと着替え始めると、クローゼットの中から女が声を発する。
「覚えておきな。そいつが陣陽学園初等制服だ・・・そいつを着てる限り、黒の中等、白の高等に絡まれる事は無い」
声を発しながらクローゼットから出てきた女は、白いセーラー服を小脇に抱え、それをベッドに放り投げる。
そして固まる出流の目の前でショーツを脱ぎ捨て全裸となった。
「ふいぃっ?!」
「いちいちこんな事で騒いでるとこの『性と暴力の学び舎』でやっていけないぞ」

「せ、性と暴力って?・・・それに俺は高等科だぞ!」
女の豊かに茂る陰毛が目に入り、出流は慌てて背を向け、股間を隠すようにズボンを上げた。

「サイズ合ってるでしょ?お古だけどよかった。」
「お古って?」
「昨日会ったでしょ?あいつらが着てたのよ。」
「金髪の?」
「ああ、2人分あるから、合わないようだったら言って・・
  あ、紺か黒でよかったら、私のセーラー服もあるはよ」

「だぁ!だから俺は高等科だって!」
思いあまった出流は、身を女に向け翻す。

(!・・おっ・・・)

別人だった・・・いや、別人に見えた。
白いセーラー服に身を包み、左右に垂れた髪を後ろで止めたその姿は、屈強な筋肉を持った、ましてはその肌にタトゥーを入れた女ではなかった。
そこにいるのは、あくまでも清楚で、汚れを知らない純白の似合う少女だった。

「何、言葉無くしてんだよ。おっ勃ててんじゃねーのか?」
女の右手がむんずと出流の局部を握ってきた。

「い!!!痛ぇぇぇぇ!!」

純白の少女は外見だけで、中身は何ら変わってはいなかった。
「陣陽学園に年齢は無意味・・・それは『戦闘力が初等過程』と言う意味だ」
その見た目とギャップのある言葉遣いで清楚なお嬢様がそう言う。
彼女の言葉通り、陣陽学園は過程によって制服が変わる。
勿論、その判断基準は『戦闘力』だ。
どこぞやの禿頭塾長の居る学園かと言いたいような内容だが、これこそが陣陽学園なのだ。
「そう言えば、ブレザーの制服だった気もしたけど?」
出流は陣陽学園に入学していた同級生の女の子がブレザーを着ていたのを思い出しながら、自分の格好とを見比べてふと聞いてみた。
「ああ、それでもいいぞ・・・」
彼女はそう答え、暫く間を置いて言葉を続ける。
「あれは負け犬・・・奴隷の証だけどな」
 ブレザーの制服は『陣陽学園劣等制服』と呼ばれ、戦う意思の無い者、負け犬の烙印を押された者が着る『女子』制服である。
男女関係無く女子制服しかなく、それを着れば否応なく一般生徒の性奴隷扱いと言う悲惨な状況に追いやられる。
それが故に陣陽学園は『性と暴力の学び舎』である訳だが、無論そうなった者にも暴力でのし上がる道は閉ざされはしない。
過去、少なくない生徒がそこから脱却している。

あの二人のお古、どうやら金髪男の方らしいサイズの方を着る事にしたが、なぜここにあるのかという疑問さえ失念しながら制服に袖を通していた出流の表情が強ばる。
学園の冗談じみたシステムや己の貞操がどうなるか云々よりも、自分の顔見知りが慰安婦まがいの扱いであったという事実に驚いていた。

「まぁ立ってねぇよな、あんま朝立ち見苦しから、さっきこすって抜いてやったばっかだし。」

更に女が何か妙な事を言った気もするが出流には聞こえていない。
中学時代、かの同級生と道は違えど将来はお互い武術で身を立てようと語った間柄。
ジェンダーレスな口調と物言いから同級生達からは剣豪漫画の様だと評されていた彼女。

今どうしているのか…そう考えながら着替え終わった矢先、ベッド脇に放置されている丸まったティッシュに気が付く。


SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す