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陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

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陣陽学園〜Fight School〜 23

運動場、サッカー場程度の広さで単なる更地の他、戦国時代〜第二次大戦頃の戦場を意識した合戦場。

大人数の乱闘、組同士の抗争に用いられる。

階級混成の組ならば白が紺を狩る事さえ当然だが先に懸念された通り、こうして正規の喧嘩となれば山吹組は出流を含む六人で三十人以上と戦う事になる。

「ゴメンねロッくん、一緒に行けなくて。」

涙目になる黒服、吉良ミシェル、射撃という性質上から点数稼ぎが難しいのか未だ紺色の島岡六郎が微笑む。

「一人頭六人ぐらいの計算ならこいつで六人、あとはリロードするか殴り倒せば済むだろ?」

と、腰の22口径リボルバーを叩いて見せた所、同じく紺色の、影が薄い空手ヤンキーが罵声を浴びせる。

「はぁ?馬鹿かてめぇ!その前に俺が全員叩きのめしゃ済むこったろうが!」

紺の学ランを着崩し茶髪ツンツンおっ立たせた如何にもヤンキーすぎて逆に空気な竜崎和馬(りゅうざきかずま)がイキをまく。

対照的に博学な空気を漂わせたスキンヘッドの黒服イケメンが和馬をたしなめた。

「竜崎、自重しろ。」

「俺は竜崎でも和馬でもねぇ…ただの『KAZUMA』だ!」

徒手格闘を重んじる姿勢こそ出流と繋がりはあったが、浮世離れした『痛い』人柄はどうとも言えない。

そしてただのKAZUMAとやらは例の大人しそうな女子から茶を出され『お?おぅ!』などと赤くなる。
セ○クス以前、女の子とのこういう遣り取りに弱い様だ。

抗争だの合戦などという話でも、余裕の茶番劇を演じる山吹組。

寧ろ殺る気マンマン、闇そのものと化した斬多村鋭利は見なかった事にして、他の紺色はどうなのかと出流は見回す。

後はセーラー服が最早コスプレにしか見えないボインボインセクシーダイナマイト美女。

月星明日香は薙刀をわざと胸の谷間を目立たせるように挟んでたりする。

竜崎和馬と正反対そうな細身の真面目生徒、高見沢賢治が持ってるのは棍。

中国拳法系だろうか。

この6人、山吹組の編成は近接戦闘系が出流、KAZUMA、鋭利の3人。

明日香と賢治が中距離系で六郎が遠距離と言う編成だ。

相手はマスケット銃を中心に据えたテルシオ陣形。

火力で圧倒する気なのだろう。

それに対するこちらの戦術は、明日香、賢治の長物2人がマスケットの斉射を弾き、その隙に近接3人が懐に飛び込み乱戦に持ち込む。

六郎はゲリラ狙撃で支援と言うプランだ。

「兎に角、度胸だ度胸!」

「読経に読経だね、ナンマンダブ」

「DQNにDQNだろ、きっと」

絶体絶命でも軽口が基本の山吹組。

三下の彼らでもそれは同じだ。

そして電話していた雑賀彦一が山吹純華に向き直る。

「昼飯後で予約取れたぜ、第13運動場ゴルゴダが丘。」

「わかった、七人で申請しろ。」

親が戯れ烏は白いと言えば、ハイ烏は白いですと答えるが任侠道。

しかしこの組で紺色と言えば六人ではなかったか。

「彦一あにぃ、ついでだから『一時的に』没収された私の中等科装備『すぐ戻るから』すぐ返せるように、って担当者に伝えといて下さい。」

そう、降格されたばかりの蜂丸市花であった、確かに七人である。

スキンヘッドの黒服、若本武留亜(わかもとぶるあ)が執事よろしく応急手当、彼女のおさげ髪を結い直していた。

そして彼は市花のロッカーから予備の眼鏡と紺色セーラー服、没収を逃れた初等科向けの得物、兜割りと呼ばれる十手の様な短刀を持って来て寄越す。


「山吹さん…止めて下さいよ?蜂丸さん怪我してるでしょ!」

純華に食ってかかる出流、まさかそもそも抗争の発端とすべく、市花に危なげな偵察を命じたのではないかとまで疑いたくなる。

「敗者の汚名を灌ぐにもって来い、こういうタイミングは高評価で中等科一発復帰確定だ、第一そうでなくてもお前だって同じ状況ならそうするだろう。」

何も言い返せない、武芸者なら当然、だが割り切れない。

出流から見てどれだけ強くても市花はあくまで鍛えたマニア、そしてどれだけ実はイイ人だったとしても不良以上にオタクという存在が嫌いだ。

納得行かず唸っていると、当の市花が台車を押して来た。

通販で売ってるような組み立て式ペットボトルロケット六基と工具、しかし弾頭の一部だけが組み立て済みで『レモン水の様な何か』を充填してある。

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