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陣陽学園〜Fight School〜
官能リレー小説 - 学園物

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陣陽学園〜Fight School〜 22

しかしこれまた矛と盾で力と技の風車が回る、武術ばかりか性の営みもまたしかり。

「るーくぅん、入れていい、よ?」

八霧出流は妻貸しの義に応え、ミシェルの両脚を割って入った。


―発展場・廃公園トイレ前―

キャッキャウフフはさておいて、一触即発鉄火の場、糞も積もれば玉薬、誤爆誘爆ご用心。

「だからホモが嫌いな女子なんて居ないんです。」

「黙れ!邪教の魔女め!」

確かにある意味で邪教徒、蜂丸市花を取り囲む六人の紺色制服男女、レイピアとマスケット銃の十字架バッジ、憂国十字軍だ。

その区隊長たる幕辺壷美(まくべつぼみ)が緩やかにウェーブがかった髪を振り乱し、市花を怒鳴り付けていた。

総代ではなく区隊長、彼女らが所属する新興宗教団体で使われる表現を用いていた。

全員が全員、超高校生級アスリート体系、この幕辺の実力とて親の七光りではないだろう。

右の腰には大口径の古式短銃、左にはアラベスクの中に銀十字をあしらったレイピアを提げている。

「冗談はここまでにしよう山吹組、露骨なスパイ行為、これは貫目違いでも立派な『自衛戦闘』の対象だ。」

前に説明された紺色の対戦相手は紺色のみという交戦規定。
幕辺が言う通り格上格下云々を抜きにして、話し合いで片付かないトラブルには双方に『自衛戦闘』が認められる。

市花は幕辺を無視して、憂国十字軍のイケメン男子一人に歩み寄る。

「キミってアレだね『総受け』に向いてると思うのよ。」

「は?」

そして目にも止まらぬ速さで学生ズボンの股間を握り込んだ、それもバカ話の間に角刺と呼ばれる爪状の暗器を嵌めてである。


外道の部類も仲間の金玉を人質に取られれば動揺する…数十秒程度。

盗聴の最中にホモの野糞と混じった黒色火薬の臭い、彼等が漏らした情報も小便程度で薄々罠と知っていた。

ならばせめて鉄砲玉の勤めを果たそう、煙幕で撹乱して十人いや二十人削ってトンズラという腹積もりだった。

しかし幕辺らの対応は市花の予想を上回っていた。

「浦岩、貴様の睾丸は無駄にせん。」

「はいっ!」

チンピラの糞度胸とも違う、浦岩とやらを始め何処までも真っ直ぐ『濁った』瞳を持つ五人の護衛。

歪な忠誠心、悪質勧誘から自爆テロまでお手の物、カルトお家芸マインドコントロール。

浦岩の蔭嚢を引き千切った矢先、他の護衛もまた睾丸や眼球を抉られながら四人がかりで市花を押さえ込む。

幕辺が伏兵に向け『放て』という号令、そして銃声。




…そうした水面下の戦いは露知らず、吉良ミシェルと高輪まどかを絶頂に導く事に性交、いや成功した八霧出流は山吹組の教室で喝采を受けていた。

初っぱ痛手を喰らわせてくれた大人しそうな女生徒から茶を出され、国籍不明野獣娘は意味不明なダンスを踊っていた。

「最高だったろっ?僕のミシェル!」

見た目(だけは)爽やかな射撃選手、島岡六郎の笑顔にどう返していいのかわからなかった出流に、影絵の様な闇を纏う女生徒が声をかける。

「笑えば…いいと思うよ…ウェヒヒッ?」

青い短髪のフェンシング娘、斬多村鋭利が病んだ瞳で不気味に笑う。

「じゃあ次は俺と、やらないか。」

凄く大きい逸物を振り回して見せる鉄斎、教室は爆笑の渦に包まれ、出流は反論する。

「やめて下さい犬神さん、また蜂丸さんが鼻血吹きながら…。」


そこへ力無く戸がスライドして現れた蜂丸市花の姿に、霧出流の手元から湯飲みが落ちた。

眼鏡は無くなりおさげ髪はほどけて乱れ、床に滴る血は鼻血ではない、殴られ刺された傷の数々、その幾つかには古式銃の練習に用いられる粘土弾が食い込んでいた。

そして全裸でこそないが、百均とおぼしき地味な白ブラパン、靴下や靴は普通に履いている。

「紺色に降格だってさ。」

スパイ行為が露見し憂国十字軍のリンチから解放されて帰る途中、教員から降格の通達を受け、人目に晒されながらの脱衣と武装解除を命じられたそうだ。

「わかった、山吹組は憂国十字軍と全面抗争に入る、手頃な『運動場』を手配しろ。」

怒りを抑えた山吹純華お嬢に気圧されながらも、雑賀彦一は内線で職員室に『合戦』の一言を交えて空いている運動場の手配を取り次いでいた。

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