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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 148

「あいつら?冒涜?なんですか?」
「お前らは、自分の意志を持てるのに、あえてそれを公主にゆだねている。それは意志を持てずに死んでいった奴らへの冒涜なんだ。」
「いたんですか?そんな人達が・・・・」
理人は悲しい眼をして話始めた。
「・・・十数年前、世界中で名のある戦士の赤ん坊が何者かに誘拐される事件が起きた。連れ去られた赤ん坊は全部で三十人。その赤ん坊達は脳手術と遺伝子治療を受けてから当時内戦が酷かった中東の国に集められ、物心つく前から壮絶な訓練を受け、命令に絶対服従の生きた戦闘機械にされた。」
「生きた戦闘機械?」
空が疑問を理人になげる。
「自分の意志なんて、持つことも許されなかった・・・だから、機械・・・。そんな兵士も年を重ねるごとに減っていった。最後に残ったのは2人だけ。1人はある人のおかげで人間に戻り、もう1人は片方の恩人を殺して、どこかに消えた。あとはみんな死んだ。砂漠の戦場で・・・人間として生きることもなく。」
理人が話終わり、しばらく沈黙が続いた。
「なぜ、あなたはそんなに詳しいんです?」
暗路は最もな疑問を投げかける。
「・・・俺は、今話した人間に戻れた方の奴なんだ。」
そう言って、理人は左腕の袖を捲る。腕には銃創やナイフの傷、火傷のあとが生々しく残り、そんな傷の中に文字が彫ってあった。

『Living War Arms』

「生きた戦争兵器と書いてある。あの頃の俺は本当に機械と変わらなかった。」
言い終わると、理人は腕をしまった。
「あなたの言いたいことはわかりました。でも、僕の考えは変わりませんよ。」
「「私たちもよ」」
「そうか・・・・。ただ、そんな奴らがいた、ってことは忘れないでくれ。辛気くさい話を長々と悪かったな。」
「僕からも質問していいですか?」
暗路が理人に話しかける。
「どうぞ」
「なんで,あなたがたや誠一君達は北川君なんかについてるんです?あなたがたは学園でもかなりの実力者、一方北川君は正直言って、最弱クラスです。それなのになぜ」
「あんな弱っちいのがリーダーなんて・・・・」
暗路に緑が続く。
理人はため息をつきながら緑を見た。
「えっと、空だっけ?」
「緑よ。」
「ああ、ワリィ。同じ顔で見分けがつかなくって。君はもしここで今、暗路が能力を失ってただの人間になったら、彼の下につくのを辞めるかい?」
「そんな事ないわ!!!私は一生、暗路様のものよ!!!」
「私も!!!」
緑の反論に空も続く。
理人は次に暗路を見た。
「君は公主の能力に惚れたのか?」
「違うよ。僕は公主様自身の為に働いているんだ。」
「俺たちもそうだ。あいつは確かに肉体的には弱い。でも、公主とは違う強さを持ってる。心の強さだ。その点は人間不信の公主より強い。誰とも分け隔て無く接する。少なくとも俺はそんな才英と一緒に戦いたい、あいつの下で働きたい、そう思ってる。結局、人間の価値は強さでは決まらないんないんだよ。」

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