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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 146

「まぁいいわ…あなたに任せましょう」
このまま話を続けてもとりとめもないだけだと思ったのか主姫は瞳を細めて恭介に言い放った。
「はいっ」
背を正し、主姫に自分が怯んだ事を隠すかのように部屋を後にしようとした恭介…だが…
「また…失敗したら…分かっていますわよね?」
まるで暗闇の中から引きずり込もうとするかのような声だけの圧迫。
「……!」
くずおれそうな感覚を耐え、逃げるようにして京介は扉から外に飛び出した。

「………」
闇は病的な程に貪欲に全てを飲み込まずにはいられなくなっていた…。

その頃、別に主姫の命を受け廊下を歩く3人がいた。
小柄で見るからにひ弱そうな可愛らしい少年と、双子の明るい茶色のロングヘアのスレンダーな美少女。
黒海 暗路と丹下空、緑の双子の少女だった。
2人は全くそっくりであったが、長い髪をポニーテールにしているのが空、そのままストレートのままなのが緑である。
そして、2年生である暗路であるが、ダブダブの制服であるためまるで新入生に見えてしまう。
とは言ってもこの暗路、生徒会書記長と言う幹部だったりするし、部下で書記である空と緑に愛され慕われる優秀な上官でもある。

暗路は歩きながら無意識のように自分の首にかけられた首輪を触る。
これは、主姫に付けられたペットの証・・・暗路は付けられて以来取った事がなかった。
空、緑も首輪をしているが、これは暗路に対する忠誠の証。
2人は丁度、仁科藍と白石兄妹のように、主姫と言うより暗路に仕えているのだ。

「暗路様・・・空、今回テスト頑張ったんだよぉ・・・ご褒美頂戴!」
暗路の左腕に絡みつく空は甘えるように暗路に言う。
「緑だって!・・・頑張ったし、空より上だから・・・先に欲しいです!」
右腕に絡みついた緑も、可愛く口を尖らせながら空に言い返す。
「緑ちゃんは、何時もいいじゃないの!・・・空は今回頑張ったんだからね!」
「空ちゃんは、何時もサボりすぎなのよ・・・当たり前の成績上げて自慢しないで!」
暗路はちょっと苦笑しながら、自分より多少大きな少女達の唇にそっと唇を重ねた。
「2人とも・・・まずはお仕事・・・ご褒美はちゃんと上げるから・・・」
「「はぁーい・・・暗路様ーっ!」」
ちょっと顔を赤らめた2人は声を揃えてそう言う。
暗路はほっと胸を撫で下ろすと、ある場所へと向かったのだ。

その暗路の向かっている場所では・・・
誠一と誠二が対峙していた。
「兄ちゃん・・・身内で争うのは止めようよ・・・母さんも心配してるし、僕が兄ちゃんを守るしさぁ・・・」
そう言う誠二の目は兄を見る眼ではない。まるで愛しい女性を見る眼であった。
「鳳家の中の事ならいざ知らず、鈴木家内部を巻き込む麟華姉さんと誠二の行為は、当主に対する反逆になるよ」
「僕は・・・兄ちゃんの為だけにやってるんだけどなぁ・・・」

そう言ってくるりときびすを返す誠二。その誠二に誠一、絵里子、奈々子が付いて部屋を出て行った。

誠一が出て行って暫くした頃、黒海 暗路と丹下空、緑が宿直室に現れた。
「あのぉ・・・誠一くんいてます・・・」
ロイヤルガードの出現に理人達は厳しい表情で睨み付け、その視線に押されおどおどと切り出す暗路。
「いないぞ、それに貴様らに用はない」
ぶっきらぼうに答えたのは剣護。いつでも抜けるように剣に手を置いている。
「こっちもあんた達三下に用はないわ!・・・勘違いしないで頂戴!」
「一方的に学園を荒らし、治安を崩壊させたのは貴方たちでしょ!・・・暗路様達がどれだけ苦労してるか考えてください!」
それぞれの言い方で抗議する空と緑。暗路はその2人の肩を叩き宥める。
「そもそもこの混乱は主姫の専横から始まったんじゃないか!・・・しかも、本来ならお前達は主姫を諌める立場だろう!」
理人が暗路を睨み付けながら言うと、困ったような顔で暗路が言い返す。
「んと・・・僕は、公主様が黒と言ったら黒・・・それだけなんだけどなぁ・・・」

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